ケン幸田の世事・雑学閑談(千思万考)
第五十八話:「紅葉・黄葉・もみじ」京都名刹名庭、十和田湖奥入瀬渓流の紅葉とカナダのメープル街道
2024/10/01
10月には、北海道やアルプス辺りで紅葉(黄葉)が見ごろを迎え、日が進むにつれ 「紅葉前線」は南下して、西日本では11月の後半が最も見頃となる筈ですが、 昨今の異常気象の所為から、日本人が「もみじ」を愛でる時期にずれが生じるとか、 赤や黄色の鮮やかさを損じることもあるかも知れません。 一般に、明け方の最低気温が6~7度以下になると、緑葉樹は光合成を行ってエネルギーを作るより、 葉を維持していることで失われるエネルギーが大きくなることから、葉を落とす準備に取り掛かります。 即ち葉に糖分や水分を送るのをストップするので、緑の色素クロロフィルを含む葉緑体が壊れ始めます。 その結果、それまで目立たなかったカロチノイドという黄色の色素がめだってくるのが 銀杏の黄葉であり、また葉に残った糖分によってアントシアニンという赤い色素が、 楓に代表される紅葉となる訳です。 従って、一度は冷え込んでも暖かい日が続いたり、天候不順が続くと、葉が綺麗に色づかなくなったり、 葉がぼろぼろになって枯れて落葉を早めてしまいます。 因みに楓の葉の形が“蛙の手”の形状にそっくりなことから、 「蛙手」が「かえで」と呼ばれるようになった言う説があります。 また、「もみじ」の名称は、赤く染めた絹地を意味する「紅絹(もみ)」に由来するようです。 人毎の口に有るなりした紅葉 松尾芭蕉 関照るや紅葉にかこむ箱根山 宮城来山 山くれて紅葉の朱をうばひけり 与謝蕪村 かざす手のうら透き通るもみじかな 大伴大江丸 大紅葉燃え上らんとしつつあり 高浜虚子 紅葉は雪月花と並んで、勅撰和歌集の四季の部立の中で最も重要な題の一つであったし、 連俳の「五個の景物」にも数えられたぐらい大切な季語とされています。 その重要性は、春の桜を愛でる「桜狩」に対して、秋の「紅葉狩」という言葉が生まれたことで 良く解りますが、ただ美しさに目を奪われやすい季語は、発想の類型化を齎す危険性をはらんでいるとの 警句を発する俳人も多く居られます。 私的な紅葉狩の体験からは、カナダのモントリオール北部のローレンシャン高原から ナイアガラの滝まで南下する全長8百キロのメープル街道の 紅葉(文字通り真っ赤なレッドメイプルからオレンジ色のシュガーメイプルやポプラやシラカバの黄葉まで)と、国内では京都の名刹名庭のもみじと、 十和田奥入瀬に紅葉美の極致を目にした印象が強く残っております。 紅葉見や用意かしこき傘二本 与謝蕪村 都路や初夜に過ぎたる紅葉狩 宮城凡兆 仁和寺を道の序や紅葉狩 松根東洋城 滝も阿修羅紅葉も阿修羅みちのくは 長谷川秋子 黄葉してポプラはやはり愉しき木 辻田克己 長くなった夏の主原因 ケン幸田 米国の科学誌に掲載された論文などによると、北半球では、大戦後70年を経て、 夏の長さが17日から23日間も伸びる一方で、秋、冬、春はそれぞれ短くなってきたとのことです。 和歌山の気象台が、観測するカエデの標本木が紅葉する日は、ここ半世紀で半月以上も遅くなったとの レポートを受けて、全国的にも、ほぼ同様のデータが公表されております。 東西の気象学者たちの論文などを精読すると、いずれもが、温暖化の主因は、あくまで太陽光であって、 リベラルの政治家、諸団体・諸機関とマスコミが、声高に騒ぐ炭酸ガス放出増に関しては、否定的です。 |
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