ケン幸田の世事・雑学閑談(千思万考)
第百三十八話:「古代、冬至は年の始まりだった」 
2022/12/02
洋の東西を問わず、古代から、冬至は太陽が生まれ変わり、陽気が増え始めるとして、
年の始まりとされて来ました。天文学上でも、一年の起点とされております。
東洋では「陰から陽へ、悪いことが終わり、幸運へと向かう日」として、
一陽来復、星祭り、唐の正月等と、新たな年を迎える祝祭日として来ました。
西洋では、ケルト人が「古き年と新しき年の結びの日」と考え、生命再生のシンボルとして、
常緑樹のヒイラギを飾り祝祭の儀を執り行っていました。
それが、ゲルマン人、ラテン人、アングロサクソン人たちの冬至祭となり、
土着信仰のこじつけから、キリストの誕生日へと結びつけ、聖なる樹・ヒイラギの緑の葉を
永遠の命・赤い実をキリストの血と見立てて、降誕祭・クリスマスとしました。
 
天文の博士ほのめく冬至かな      黒柳召波
貧乏な儒者訪ひ来ます冬至かな     与謝蕪村
あたたかな冬至の門や大経師      江森月居
門前の小家もあそぶ冬至かな      野沢凡兆
仏壇に水仙活けし冬至かな       正岡子規
 
24節気の一節15日間を気切りとする冬至は、それを、さらに三つに分けられ、
5日間ごとの気象の動きを、自然の変化、動植物の変化などと結びつける72候では、
初候が「蚯蚓結ぶ(みみずが地中で塊となる)」、次候が「大鹿角解(大鹿が角を落とす)」
末候が「水泉動く(地中で凍った泉が動き始める)」と表記される”暮らしの歳時記“となります。
殊に、冬が終わり、春を迎えるに際し、無病息災を祈る習俗も定着してきました。
星供養、冬至風呂、柚子湯、冬至餅、冬至粥、冬至南京(かぼちゃ)、
冬至ぜんざい等々は現代人にも馴染みの伝統習俗として生き残っております。
永井荷風が、「冬至の節は私のもっとも好きな時候で、野菜の味最も良し」と書いているように、
この時季に付き物の冬至南京に限らず、大根も蕪も葱も雑煮も美味いのは納得できます。
 
雑煮くふ冬至も昼の日ざしかな     炭太祇
行く水のゆくにまかせて冬至かな    田川鳳朗
冬至の日しみじみ親し膝に来る     富安風声
海の日のありありしづむ冬至かな    久保田万太郎
冬至湯の煙あがるや家の内       前田普羅
白々と女沈める柚子湯かな       日野草城 
胎児のごと老いてまるまり冬至風呂   清水基吉  
冬至粥土鍋の蓋のことことす      小野内泉雨
頬杖を解く冬至粥食はんため      佐藤鬼房 
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