感染症の海外ニュースと解説
デルタクロン(Deltacron)とフルロナ(flurona)
ジョークとみなして良いか?
2022/03/22



1. デルタクロン(Deltacron)
2. フルロナ(flurona)
3. ステルス・オミクロン(B.2)


1. デルタクロン(Deltacron)
WHOは3月初めごろフランス北部のレンヌで検出したデルタ株とオミクロン株の
混血といわれるデルタクロン(Deltacron:俗称)がブラジルで発見されたことに注目しています。
デルタクロンはキプロス共和国(Republic of Cyprus)の大学教授が発見し
SARS-CoV-2の変異株かどうかには懐疑的ながらも、真面目に発表した時の造語.
造語の発想がジョークのようだと話題となっています。
すでにいくつかの国で発見されているようですが、ブラジルが注目されるのは理由があります。
 
ブラジルはSARS-CoV-2が南アから英国にアルファ変異(B.1.1.7)として
飛び火した時期に、別ルートで飛び火し(ガンマ変異:P1)、3千万人超の感染者を出した国
南アとは南大西洋を挟んだ対岸に位置しますが、これまでのガンマ変異株P1が蔓延したのは
ミナスゼライス州やサンパウロ州、リオデジャネイロ州など南部沿岸地帯。
 
デルタクロンは2020年のP1と異なりブラジルでも北部西海岸のパラー州(Estado do Pará)と
アマパー州(Estado de Amapáで発見されました。
*パラー州:人口約800万人、アマパー州はその10分の1くらいの規模で人口約75万
 
現在のブラジルは直近での感染者が11,287人とSARS-CoV-2衰退期といわれていますが、
これまでにアメリカに次ぐ65万人超の死者を出しています。
毒性などの正体が不明ながらデルタクロンは新変異株の可能性あり、と厳重な警戒をしています。
 
2. フルロナ(flurona)
一方、フルロナ(flurona:俗称)はインフルエンザウィルスとSARS-CoV-2の混血。
一般的には感染者に異種のウィルスが入り込んでも、*ウイルス干渉(Virus interference)
により、他のウイルスの感染や増殖を抑制するか、双方のウイルスの増殖が
抑制されるといわれます。

ところが昨年2021年10月に動物実験とはいえ長崎大学から新型コロナウイルスと
インフルエンザウイルスが重複感染すると、肺炎が重症化かつ長期化する可能性を示す研究が
オンライン学術誌「Scientific Reports」に発表されています。
「Co-infection of SARS-CoV-2 and influenza virus causes
more severe and prolonged pneumonia in hamsters」

長崎大学は感染症研究では日本最古。
文部科学省所管として熱帯感染症研究の先端機器を数多く備えた、
日本で最も権威ある熱帯感染症研究所を併設しています。

多くの事象でみられることですが、サーズ1世を起源とする新型コロナウィルスも
医学の数々の常識や先例を覆してきました。
ウイルス干渉に期待して過去の事例を妄信することは危険です。

長崎大学の研究では「新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスが重複感染すると
肺炎が重症化・長期化する可能性」
「両ウイルスの重複感染と同時流行は起こり得る」ということを示唆しています。
 
今回のパンデミックの大樹(元)であるSARS-CoV-2は、いまだに性格の
全てが解明されたとは言えず、スパイクには未明部分がいろいろあります。
デルタクロンとフルロナは、衰退期といわれるSARS-CoV-2の変異とはいえ
混血により毒性が高くなる可能性がゼロとは言えません。

現在は韓国、英国、ドイツでの再爆発死者の詳細が報道されていないだけに不気味です。
稀とは思われますが、リアソートメントによる新種が、SARS-CoV-2系とは言えないほどの
強毒性を持つ可能性も否定できないということです。

*リアソートメントウィルス(reassortment viruses:遺伝子再集合)は、
哺乳類の体内に複数の型のウィルスが入り、合体して遺伝子が混血になることを指します。
 
*ウイルス干渉(Virus interference)
特定のウイルスに感染すると他のウイルスの感染/増殖を抑制するという現象であり、
双方のウイルスの増殖が抑制されることもあります。

3. ステルス・オミクロン(B.2)
ステルス・オミクロンも話題となっていますが、ワクチンの効果が無く、感染力が強いために
防疫が難しく、検査をすれば現在の二桁倍の感染者がいるだろうという、無症状者が大部分の変異株。

抵抗力(免疫力)が低下していたり、幼児が感染すると弱毒性でも高熱が珍しくありませんが
基礎疾患が無い限り呼吸器を障害することはありませんので、弱毒性としてオミクロン株(B.1)と
同様に扱われています。
専門家も発熱には市販の解熱鎮痛剤を服用し、自宅療養で良いとしています。
ただし、発熱がワクチン接種による*ADEや*サイトカインストームが疑われる場合は直ちに
入院が必要です。
*ADE(Antibody Dependent Enhancement:抗体依存性感染増強)
 *サイトカインストーム:白血球のサイトカインに誘導された免疫力の
 暴走ともいえる過剰な部分集中。 
 サイトカイン(cytokine)はホルモン様低分子生理活性タンパク質
 Cytokine release syndromeとも呼ばれますが、
   アナフィラキシーショックに類似した症状により
   死に至ることが多いといわれます。

https://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=761
「オミクロン株感染者数の激増報道が不必要に国民の不安を煽る」
https://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=758
「体細胞炎症抑制がオミクロン株感染を防ぐ
COVID19エンデミック時代を生き抜く知恵」

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https://www.botanical.jp/item_view.php?item_number=28
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エネルギー源となるエーティーピー(ATP:アデノシン三リン酸)とは
http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=147
「バルクワインの重金属汚染と無添加ワインのからくり」
http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=448
「ヒジキなどの食品ヒ素に肺がんリスク:国立がん研究センター」
ヒジキは必ずしも健康食品ではありません
http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=123


https://www.botanical.jp/item_view.php?item_number=36

https://www.botanical.jp/item_view.php?item_number=1011

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