健康と食品の解説
ベトナム戦争で顕在化した猛毒ダイオキシンの健康被害日本の近海魚介類のダイオキシン汚染
2022/03/18
1960年代に成人だったアメリカ人はベトナム戦争で有機合成毒ダイオキシン類が 使用された「枯葉作戦」を忘れることが出来ません。 空中散布された約5,000万リットルといわれる枯葉剤は猛毒のダイオキシン類TCDDを 含有し森林、原野の30%を汚染したといわれます。 この猛毒はその後ウクライナの政争でも使用されて、国際的に情報が広まり、 アメリカ人が合成有機化学の新開発医薬品や殺虫剤、除草剤、農薬、食品添加物、 人造甘味料を徹底して敬遠する素地となりました。 有機化学工業を世界的にリードしてきたアメリカが莫大な富を蓄えた代償として 多くの国民の重篤な健康被害が存在しています。 ただし、米国で最近話題の魚介類のダイオキシン汚染はクロマグロ、カジキマグロなどの 大型魚に限られ、欧米沿岸での中小型魚汚染は珍しく、主として日本の太平洋沿岸の魚介類です。 1.ウクライナのユシチェンコ元首相がダイオキシン中毒 2.寿司とザリガニでダイオキシン毒(PCDDs)(TCDD)を盛られる? 3.オレンジ・エージェントによるクロールアクネ(chloracne:塩素ざしょう疹)とは。 4.ダイオキシン(dioxin)とは.(PCDDs)(TCDD) 5.日本近海魚のダイオキシン汚染 6.大きな魚ほどダイオキシンに汚染される 7.ダイオキシン類対策特別措置法 8.ダイオキシンの寛容量 9.寛容量の単位.TDI(耐容一日摂取量)、TEQ(毒性等量)、1pg(ピコグラム) ベトナム南北戦争より帰国した米国兵士の子. 枯葉剤として散布されたダイオキシン化学製剤PCDDsの 催奇毒素により両手なしで誕生. 母子、父子汚染の後遺症例として下記写真と共にホーチミン市の 戦争記念博物館に展示されている. 1.ウクライナのユシチェンコ元首相がダイオキシン中毒 EU、ロシアがせめぎ合うウクライナ。 2000年頃より内乱が予想された騒乱が続いていました。 2004年に大統領選に立候補したユシチェンコ元首相(Viktor Yushchenko) とヤヌコーヴィチとの争いは激しく、選挙のやり直しが再度となるほどの混乱。 その当時、ユシチェンコが政敵に大量のダイオキシン類(PCDDs:TCDD)を盛られたのでは ないかと話題になり、改めてダイオキシンの猛毒性が注目されました。 2.寿司とザリガニでダイオキシン毒(PCDDs)を盛られる? ユシチェンコ元首相は、2004年9月に政敵側の国家保安局との会食で、 寿司とザリガニ(スープ?)を食べたそうです。 急病で倒れたのは9月ですが、ダイオキシンが疑われたのは10月、11月になってからでした。 当時、皮膚が異常に侵されるクロールアクネ(chloracne:塩素ざしょう疹)により、 別人のようになった人相が報道されています。 オーストリーの医師によれば、血中から検出したダイオキシン類は 通常の1000倍(6000倍という報道もあります)といわれる濃度があったそうです。 この時点ではダイオキシンの種類が判明していませんでしたが、12月17日の報道では、 ヴェトナム戦争で使用された*TCDDの一種をオランダの医師が検出しました。 *2378-TCDD:四塩化ジベンゾ・パラ・ジオキシン 3.オレンジ・エージェントによるクロールアクネ(chloracne:塩素ざしょう疹)とは。 クロールアクネは重症のニキビ様皮膚疾患。 ヴェトナム戦争で使用されたオレンジ・エージェント(Agent Orange)と呼ばれる化学兵器の 人類被害が有名。 その催奇性は皮膚障害以外に数々の悲劇を生み出しています。 オレンジ・エージェントはゲリラの隠れ場所であるジャングルや草原の除草を目的とする、 「枯葉作戦:Operation Ranch Hand」で使用された ポリ塩化ジベンゾダイオキシン(PCDDs)を主剤としたTCDD の化学兵器。 数多いダイオキシン類のなかでも猛毒で知られているのがTCDD です。 TCDD :テトラクロロジベンゾジオキシン (Tetrachlorodibenzodioxin) 青や白の容器の他の兵器に対して、オレンジ色のスティール缶容器に封入されていました。 戦中からヴェトナム国民やアメリカの軍人にリンパ腫、腎臓がん、胎児異常、皮膚障害、 神経障害など重篤な被害が多発し、現在でも、ヴェトナム人と、アメリカの退役軍人が後遺症に 悩んでいるといわれます。 ベトナム全土に散布されたダイオキシン化学製剤PCDDsによる被害例. 上記写真と異なり二人の児の胴体が結合している. (戦争記念博物館:ホーチミン市) 4.ダイオキシン(dioxin)とは.(PCDDs:TCDD) ダイオキシンはごみの焼却、工場の排ガスなどが発生原因となります。 陸上で発生したダイオキシン類は大気や河川などにより運ばれて湖沼、海などに蓄積し、 水中に溶け込んで魚介類の、主として脂身を汚染。 特別なケースを除き、人間のダイオキシン中毒原因は、少量を大気中から吸入する他は、 魚介類の摂食によるものが大部分。 ダイオキシン類は食の連鎖から、大型の魚介類と甲殻類に多く含有されます。 ダイオキシン類は乳がんなどの発ガン物質、免疫機能障害、生殖機能障害、神経障害、肝臓障害、 高脂血症原因等が疑われる毒素。 ダイオキシンといわれる物質は、以下三種類の化学物質の総称です。 毒性が見られるダイオキシン類は、この三種類から合計239種類の化学物質が分析されています。 *ポリ塩化ジベンゾ・パラ・ジオキシン(ポリ塩化ジベンゾダイオキシン) (PCDDs)Polychlorinated dibenzo-p -dioxins (2378-tetrachlorodibenzo-p -dioxin 2378-TCDD) *ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)Polychlorinated dibenzofurans (2378-tetrachlorodibenzofuran 2378-TCDF ) *コプラナー・ピーシービー(Coplaner PCB:Coplaner Poly Chlorinated Biphenyl ) なぜ日本人には癌死が多い? 5.深刻な日本近海のダイオキシン汚染 平成16年3月には、水産庁が、平成15年までの魚介類102種類に含有するダイオキシン類の 調査結果を発表しました。 この調査は、日本近海、沿岸の魚介類からのダイオキシン類検出が、輸入や遠洋物に較べ、30%-800%も上回ることを報告しています。 特に日本近海の甲殻類の汚染が進んでいることが気になります。 ベニズワイ(千葉県)日本産で最も漁獲量の多いカニ. コストパフォーマンスの良さからもカニ料理になくてはならない. 6.大型魚ほどダイオキシンに汚染される 魚も食の連鎖がありますから小魚ほど安全なのは言うまでもありません。 また、産地の表示が明確に表示されるようになりましたから、 外国の汚染が進んでいない海域、汚染の少ない国内産地の魚介類を選択するのも、一つの考え方です。 水産庁の検査報告には、魚種別、産地別の明細があります。 ただし魚介類の ダイオキシン類含有量は個体によってもばらつきがありますから、 完璧な対策ではありません。 出来るだけ大きな魚の脂身を避けて、同種を多量に摂食することを控えること、 生産地に関心を持つことが賢明といえます。特に妊婦には母子汚染の可能性があります。 解体中のクロマグロ(メキシコ産) 7.ダイオキシン類対策特別措置法 日本は工業立国、海産資源生産国ですから、ダイオキシン類の害は人事ではありません。 平成11年7月には、立法により対策を講じています(ダイオキシン類対策特別措置法) 厚生労働省や水産庁は、平成11年の立法を受けて、ダイオキシン健康影響調査委員会の設立や、水産物の特別調査を実施して、その対策に腐心しています。 厚生労働省の健康調査は、当初、清掃事業に従事する作業員の健康問題でしたが、 現在は、著しく改善の方向がみられるようになりました。 8.ダイオキシンの寛容量 現状ではダイオキシン類の摂取を避けることができません。 大気中と食事によるダイオキシン類毒素の寛容摂取量(TDI)は体重1 kg当たり約1.53pg-TEQ/dayといわれていますが、データ蓄積が浅いために半世紀後の安全性が 保証されているわけではありません。 食事からの摂食量が約1.49 pg-TEQと大部分を占めますが、 そのうち魚介類が1.29 pg-TEQくらいになるようです。 (厚生労働省平成16年度発表。食品からのダイオキシン類一日摂取量調査等の調査結果)。 コノシロ(上)スズキ(下)はダイオキシン検査のマーカー的存在. 工業地帯を沿岸に持つ海域の汚染度が高い. これまでの研究では、4 pg-TEQくらいまでは、皮膚疾患などの毒性が見られないということですが、 当然のことながら、健康で、平均的な遺伝子を持つ人の場合でしょう。 考慮しているのは急性、またはそれに近い発症が前提。 数十年に及ぶ長期的な安全性ではありません。 国連の食の規格に関する委員会、コーデックス(CODEX)では安全基準値は発表していません。 水産庁の報告を根拠に、計算例を挙げれば、100グラムの日本近海産の甲殻類に含有される ダイオキシン類は約80-750ピコグラム、輸入や遠洋物で1.7-9.5ピコグラムです。 体重60kgの人の最大許容量は240ピコグラム位となります。 9.寛容量の単位.TDI(耐容一日摂取量)、TEQ(毒性等量)、1pg(ピコグラム) TDI(Tolerable Daily Intake:耐容一日摂取量) TEQ(Toxic Equivalent:毒性等量) 最も毒性が強い2378-TCDD(四塩化ジベンゾ・パラ・ジオキシン)の毒性に換算して表したもの 1pg(pico gram:ピコグラム)=1 兆分の1g 上記はWHOが発表している1日の安全摂取量(目安)。 日本も追従していますが、欧米と人口過密な日本が同じ数字では 環境条件が異なりすぎます。 半減は7年といわれますが最近の汚染度調査公表は知る限りありません。 ダイオキシンはダメージが少しずつ蓄積し、大事に至るのは 数十年後にもなる遅行性。 現在では安全な摂取量は誰にもわからず、基準は推測数字と理解すべきでしょう。 また中国から飛来する黄砂、大気汚染などもダイオキシンを含むといわれ、 直接、間接に発がんを促進すると考えるべきです。 2004年に初版掲載 2008年7月24日改定 2013年8月16日復刻 2015年2月27日改訂 2018年2月08日改定 2022/03/18 改訂 (広告) https://www.botanical.jp/item_view.php?item_number=28 レスベはフランス産の天然赤ブドウを原料に日本で初めて作られた ブドウ・レスベラトロール・サプリメント. 最初のモデルの開発を始めてからすでに20年を超えました。 レスべのブドウ・レスベラトロールはイタドリ由来のものや、医薬品目的に 化学合成された合成レスベラトロールとは全く異なる物質。 天然レスベは過剰摂取が不要ですから長期間摂取の安全性や慢性炎症を抑制する効能は ブドウを食するのと同じです ニューモデルは天然の赤ブドウが持つトランス型ブドウポリフェノールのスチルベノイドと プテロスチルベン、ケルセチン、CoQ10、 最新の長寿補酵素ナイアシン(NAM,NAD+, NMNなどの総称)を配合し、 天然ブドウ同様の卓越した抗酸化能力を保持しています. 世界でホットな話題となっている、最も先端的な健康長寿のコンビネーションです. 朝のすこやかな目覚めは病気知らずの健康のもと。「目覚めすっきりアサイーナ」 発売15周年記念のレスベが値下げ. 親戚といえるアサイーもリニューアルし実質的な大幅値下げ. 2ヶ月分が会員価格で1899円(税込). 大型のカプセルを使用し1カプセルで500㎎のアサイーとなりました. 「ブドウ・レスベラトロールが関わる窒素合成と サイクリックジーエムピー(GMP)の産生」 http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=66 エネルギー源となるエーティーピー(ATP:アデノシン三リン酸)とは http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=147 「バルクワインの重金属汚染と無添加ワインのからくり」 http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=448 「ヒジキなどの食品ヒ素に肺がんリスク:国立がん研究センター」 ヒジキは必ずしも健康食品ではありません http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=123 https://www.botanical.jp/item_view.php?item_number=36 https://www.botanical.jp/item_view.php?item_number=1011 歴史が浅いバイアグラは化学合成物質ですから長期間服用の安全性は不明ですが、 その機能は窒素合成阻害酵素の阻害機能。 シトルリンが窒素合成の素材として機能し、レスべが窒素合成酵素を作り出す 機能と切り口は異なりますが、中枢神経を興奮させる媚薬、催淫剤と 一線を引く点では同じです。 バイアグラ、マカや朝鮮ニンジンなど植物のアルカロイドを催淫剤として過剰摂取となる方が増え 前立腺がん、機能不全(ED)、腎不全などの原因を疑われています。 シトルリンはレスベと相乗させれば少量で十分ですから過剰摂取を控えましょう。 ブドウ・レスベラトロールが関わる窒素合成とサイクリック・ジーエムピー(GMP)の産生 シトルリンとレスべの超お買い得セット. もちろん個別でもお買い求めいただけます. 「ブドウ・レスベラトロールは体細胞内でガン阻害物質に変化する」 http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=196 レスヴィーヌ・ルージュ:ギリシャ時代から愛用されてきたブドウ古樹の葉. 有機栽培された農薬フリーのブドウ葉 レスベの補完に最適.フランスでは漢方薬同様に薬局で売られています. 「煎じるブドウ・レスべラトロールで長寿と美容へ最短距離」 JAS認定有機食品.東京都特別推奨食品のケール100%. 安全な天然カルシウム豊富な特殊土壌で栽培. 各種天然ビタミン、ミネラル、アミノ酸が最も豊富な野菜のケール100%で作られた 天然マルチ栄養素・サプリメント.他野菜の混入なしに飲みやすい美味しさを持っています 賦形剤は一切使用していません。 http://www.botanical.jp/item_view.php?item_number=53 「サメの肝油とスクアレン/スクワレン(Squalene)とは」 サメの肝油が含有する成分の強力な免疫力強化作用は、食品の中では最大とも言われており 1900年代より、その秘密を解明する研究が続けられた結果、免疫に不可欠な白血球の増加に働く アルコキシグリセロール(alkoxyglycerols)を発見しました。 30粒から40粒に増量となりました リッチスクワレンは汚染の進む太平洋産原料を避け、 希少なオセアニア近海産原料で安全性を確保しています. |
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