アジ類はブリなどを含めると世界で100種近くが食用にされています. 熱帯、亜熱帯には小型のマルアジ類の他、扁平でサイズの大きいヒラアジ類も多いですが、 日本では市場で流通するほどの天然ヒラアジ類が漁獲できず、釣りなどの対象魚です。
マアジの群泳.背景はシコイワシ 1.マアジ(真鯵:Trachurus japonicus:horse-mackerel) 2.メアジ(目鯵:Selar crumenophthalmus) 3.アオアジ(青鯵:Decapterus maruadsi) 参考1.ヒラアジ類(Carangidae:Trevally) 参考2.養殖魚の問題点は水産薬品と合成飼料 参考3.天然のEPAとDHAならば区別の必要性はありません. 参考4. 天然魚油のオメガ3脂肪酸と工業生産オメガ3の相違 1.マアジ(真鯵:Trachurus japonicus:horse-mackerel) 水族館のマアジ(養殖が多い) 関東では真鯵(マアジ)が少なくなり高級化。 寿司屋、居酒屋など外食の活魚や産地表示が無い場合には養殖マアジが増えています。 マアジの養殖は90年を超える歴史がありますが、天然魚が豊富であったために 養殖は活魚中心の生産。 養殖が比較的易しいために資源が枯渇してくるこれからはスーパーなどに急増しそうです。 首都圏の天然アジ漁獲は南方系の眼鯵(メアジ)や青鯵(アオアジ、マルアジ)が 真鯵(マアジ)を圧倒するようになりました。 南方系は脂肪分が少ないために鮮度が落ちた場合は人気が無く、価格も低減します。 3種類のアジは外見の相違点が目だたないため、一般には気づかない人が多く、 特にマルアジとマアジは専門市場でも混在して売られることがあります。 意図的にマルアジ、メアジを混在させる販売者はアジとだけ表示しますから要注意です。 瀬に根付いたり、回遊運動量が少ない、脂がのった黄色い真鯵は「黄金鯵」と呼ばれ 美味といわれますが、回遊する青黒いマアジも脂は十分で、美味なことに変わりはありません。 朝獲れや釣り真鯵は刺身が美味しい 2.メアジ(目鯵:Selar crumenophthalmus) メアジも超新鮮ならば、お刺身は美味ですが、焼きもの、 干物はマアジほどの脂が期待できません。 脂の乗りは季節や海域でかなり異なります。 メアジは血合いが多いのが難点といわれますが、体高があり 可食部分が多いために気にはなりません。 アジア生鮮市場の鯵類.ホソヒラアジなど 類似の種類が混在するがメアジが多い. 熱帯のメアジ(Selar crumenophthalmus)はホソヒラアジ、ヒラマサのような黄金の筋模様が 眼から尾に走っています。鮮度が落ちると消えていくようです. 写真は上下ともにアジア市場のメアジ、マルアジなど.
(写真下)相模湾の鯵(あじ)はメアジ、マルアジが量的にマアジを圧倒している.
写真は上下ともに相模湾産メアジ.メアジにも青黒い体色と黄金色がある. 獲りたての鮮度ならば脂がほどよく、刺身が美味.マアジに劣りません
写真下はアジアに多いホソヒラアジ (Selaroides leptolepis:Yellowstripe scad:マレーシア) ブリ、ヒラマサ、カンパチなどがアジ科なのが理解できる見本のような小魚
3.アオアジ(青鯵:Decapterus maruadsi)
(写真上左)お皿の上段は青鯵.下段が眼鯵.獲れたての鮮度ならばどの種でも 鯵寿司が美味しい. (写真上右)マアジの素人寿司.軽くお酢で締めるのもお薦め。
(写真上下)インド洋のアジ類
参考1.ヒラアジ(Carangidae:Trevally)
(写真上) ロウニンアジ (Caranx ignobilis)
(写真上)コガネシマアジ 1匹約600円は高級魚(パタヤ:タイランド)
(写真上左)オキアジ(Uraspis helvola)(相模湾) (写真上右)ウマヅラアジ(イトヒキアジ:Alectis indicus)(相模湾)
(写真上段左右)カスミアジ(Caranx melampygus) (写真下段左)カッポレ(Caranx lugubris) (写真下段右)ワラサ(メジロ) 参考2.養殖魚の問題点は水産薬品と合成飼料 漁網防汚剤やサルファ剤、抗生物質、合成抗菌剤、各種ワクチンなど 大量の薬品なしに養殖は成り立ちません。 養殖魚組合によれば使用しているのは認可薬品ばかりですが、 数十年から最高でも半世紀足らずの使用経験しか ありませんから、長期使用の安全性は不明と理解すべきでしょう。 消費者に選択肢を与えるために「養殖」表示は必須となっています。 使用している水産薬品は下記が主体だそうです. 抗生物質(塩酸オキシテトラサイクリン、アンピシリンなど.) サルファ剤(スルファジメトキシン、スルファモノメトキシン フラン剤(ニフルスチレン酸) その他の合成抗菌剤(オキソリン酸) 水産物の表示義務事項は「名称」「原産地」「解凍」「養殖」 ブリ(イナダ)、マダイ、カンパチの養殖御三家やマグロ、トラフグ、シマアジは 「養殖」が表示されることが多いですが、魚の販売者がカサゴ、カワハギ、イサキ、メジナ、 マアジ、マサバ、クルマエビなどは(意図的に)表示しないことが珍しくありません。 外見では区別できませんから妊娠中、妊娠が予定される女性や児童は避けるべき。 天然かどうか聞いてから買うようにしたいと思います。 魚の美味しさは脂肪分の美味しさ。 魚種、海域や食餌により同じ種類でも養殖魚の味は大きく異なります。 敬遠する人、なじめない人が多いために、いまだに総漁獲量の5%くらいですが、 輸入魚を加えれば消費量は50%を超えるでしょう。 養殖が天然より多い魚は真鯛(マダイ) 80%、鰤(ブリ) 56%、クロマグロ 56%、 車エビ 76%。トラフグ、カンパチ、シマアジが 50%以上。 マダイの養殖魚は4,000トン/年を超え、2位のブリ(約1,000トン)をはるかに上回ります。 銀鮭、マサバ、マアジ、トラフグ、ヒラメ、ヒラマサ、スズキ、メバル、カワハギ、カサゴ、 クロソイ、イサキ、メジナ、オオニベ、マハタ、クエなどに養殖魚があります。 養殖魚の食餌は天然のイワシ類使用がほとんど無くなり、魚粉が中心のペレットになって いましたが、最近は様々な混合餌をドライなペレット状にしたものになりつつあるとのことです。 養殖魚の組合は農産物に較べれば、薬品、飼料などの情報公開に前向きで、 大きく評価できますが、その原料が安全であり、健康に良いか?天然魚と同様なタンパク質、 脂肪酸類を持つ魚になるのか?分析情報も公開して欲しいものです。 参考3.天然のEPAとDHAならば区別の必要性はありません. EPA とDHAは近似種類で体内ではEPA からDHAがつくられます (DHAからEPA のケースも あります)。 これは炭素の二重結合の全体数が異なることで区別されています。 EPA とDHA以外にも多くの脂肪酸類、脂溶性ビタミン類を含む天然魚油を 摂食するのがベストであってEPA とDHAは個々に分けて摂食すべきものではありません。 EPA とDHAは双方ともに血液を凝固させにくくさせる作用がありますが、 特にEPAが血 液の流れを改善し、血液の粘度をさげて心筋など血管内の血栓を防ぐ作用、 DHAの脳内血流のスムースな循環や、過労や加齢による 視力の低下を防ぐ作用が 注目されています。 高脂血防止の医薬品はEPAが99%ですが、発売から10数年と日が浅く、体内で EPA /DHA双方の機能が発揮できるかは未明でしょう。 発売当初はトランス脂肪酸が問題となりましたが現在はシス型のみとなっています。 α-リノレン酸は体内でDHAやEPAに合成されます。 参考4. 天然魚油のオメガ3脂肪酸と工業生産オメガ3の相違 魚油から獲れるDHAは細胞上のチャネルを活性化しますが、その優れた機能と サプリメントに多い工業生産されたエステル化DHAが拮抗することを 確認した研究があります。 エステル化DHAは魚油の天然DHAがイオンチャネルにくっつき、活性化させる作用に あたかも競合するかのような動きをするそうです。 天然のオメガ3には様々な健康促進作用があり、主として免疫、神経、冠状動脈関連の疾病に 有力な物質ですが、オメガ3の有力物質とされるDHA/EPAがどのように心臓などの 健康促進に働いているかは依然未解明です。 解明されているのは細胞の神経伝達経路に働くのだろうということだけです。 「魚から得る天然のオメガ3脂肪酸と工業生産された健康食品のオメガ3の どちらが血圧安定に寄与するか」を研究しているいるのは ペンシルバニア大学医学部ペレルマン薬学部の星教授 「魚の天然オメガ3脂肪酸と工業生産オメガ3の相違点: 天然魚油オメガ3脂肪酸が血圧安定に寄与する」 http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=130
星博士らの工業生産脂肪酸の研究は、「血中に遊離脂肪酸かエステル化脂肪酸のどちらが あるかを識別すれば敗血症の発症が解る」という副産物もあります。 敗血症は抵抗力が低減状態の人体血液中に細菌など病原体が入り込み、 重篤な全身症状を引き起こす症候群。 外的、内的に化膿部分がある場合、細菌などが血液を介して全身に拡がることが原因として多い。 (生鮮食材研究家:しらす・さぶろう)
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