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スーパーフード:タマネギのケルセチンがアリシン、アントシアニンとのコラボで大腸がんに著効を示す:
長寿社会の勝ち組となるには(その8)
2026/03/21
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ニンニク、玉ねぎは認知症、心臓血管病、癌(がん)など現代で最も厄介な疾病に 著効を示すスーパーフード。 ワイン王国を築いているラテン系民族は紫色のアントシアニンが優れた抗酸化物質ということを 知っていますから、赤ブドウばかりでなくニンニク、玉ねぎも赤紫色の品種を選ぶ人が少なくありません。 日本でも紫色の野菜に関心を強めれば生活習慣病の予防と治療に役立つでしょう。 ![]() 1.ニンニク、タマネギに期待される有用成分はアリシン単独では無い 2.なぜアリシンは単独では機能しないのか 3.タマネギのケルセチン、アリシンとアントシアニンのコラボレーション 4.ラテン系民族が好む紫色の玉ねぎと紫色のニンニク 5.日本人のニンニクとタマネギの消費量 6.発酵黒ニンニクの効用 1.ニンニク、タマネギに期待される有用成分はアリシン単独では無い ネギ科(Alliaceae)のタマネギ(Allium cepa)やニンニク(Allium sativum)が 害虫や微生物に優れた防御システムを持っていることは体験的、疫学的に多くが 認めていることですが、その仕組みの詳細には未明点が多々あります。 ニンニク類からアリシン(Allicin)が米国で分離されたのは1944年。 その後はニンニクやタマネギが感染症の原因となる微生物や寄生虫などを防ぐのはアリシンであり 脳梗塞、心筋梗塞を防ぐ溶血性(血液サラサラ)をニンニク類が持つのもアリシンの 存在であると信じられてきました。 ところが、それから数十年後の研究では「自然な状態のニンニク、タマネギの複雑な成分や化合物が相乗して 素晴らしい働きをする」のであって、アリシン単独ではないのではと言われるようになりました。 調理や加工によって細胞が破壊され、酵素(allinase)がアリイン(alliin)などを 有機硫黄化合物のアリシン(Allicin)に変化させたときに 最大効果を(瞬間的に)発揮するのだろうという研究成果が主流となりました。 アリシンはニンニク、タマネギの持つケルセチン、ステロイドサポニン(Steroidal saponins)など 多様な他の成分と複合的に機能するということです。 漬物加工、熱加工、エキス抽出、乾燥パウダーなど、加工時間がかかる食品では アリシンが前駆体から生成されないか、生成されても効能が大きく損失するか、 生成後瞬時に消滅しているかとも言われるようになりました。 *S-アリル-L-システイン(S-Allylcysteine)はアリシンの前駆体 アリシン2.なぜアリシンは単独では機能しないのか 米国での実験では、アリシンが胃酸分解されるのを防ぐ溶腸性のコーティングを使用しての経口摂取、 または注射が使用されました。 結果としては、いずれもアリシンの血中濃度がほとんど上がらず、 「体内で瞬時に近いスピードで消滅しているだろう」ことが報告されています。 アリシンの分離以来、アリナミンのようなビタミンB¹の機能を強化をする応用医薬品が 製造されていますが、直接的に感染症や大腸がんを防ぐ医薬品は開発できていません。 理由はアリシンが非常に不安定で変化、消滅しやすい物質だからでしょう。 現在では、ニンニク類の優れた防御システムはアリシンはじめ ステロイドサポニン(Steroidal saponins)ビタミンB?など数多く含まれる成分の 総合力であり、単独では無いだろうことが共通の認識となりつつあります。 ![]() アジアの消費者市場では日本とはかけ離れた量のニンニクがキロ単位で売られます. アジア周辺でニンニク生産量が多いのがタイランドと韓国(インド、中国を除く) ![]() アジア周辺でニンニク生産量が多いのがタイランドと韓国(インド、中国を除く) ![]() ![]() 写真上はタイの市場で売られている南方系の軟首(softneck)タイプの赤紫ニンニク. (タイ産なのか、中国産の輸入物なのかは不明) 赤紫品種の軟首(softneck)タイプの栽培は温帯、亜熱帯地方が適しています. 3. タマネギのケルセチン、アリシンとアントシアニンのコラボレーション タマネギは血管の若返り、大腸の健康に良いことが永年の栄養学、 疫学的調査で知られています。 実際に赤タマネギの持つアントシアニンとケルセチン、アリシンがコラボすると「 大腸がん細胞まで死滅させる」という研究が 米誌 Food Research Internationalに発表されています。 発表したのはゲルフ大学(University of Guelph:カナダ)の スレシュ・ニーシラジャン教授(prof. Suresh Neethirajan)、博士号を持つ ムラヤン助手(Murayyan)らのグループ。 研究はアントシアニン豊富なオンタリオ州産赤タマネギ(Ruby Ring onion)を主役に 生きた大腸がん細胞を使用して実験室で行われました。 結果、ルビーリングのアントシアニンとケルセチンがコラボして驚くべき効能を 発揮したことを報告。 大腸がんの研究は進化しており、様々なタイプの癌細胞が実験用に 培養されて研究室での実験をサポートしています。 ![]() 実験に使用された Ruby Ring onion(Ontario states agri. office) 栄養成分や生理活性化物質が単体で大きな機能、効能を発揮することは ごく稀です。 天然のアントシアニン(anthocyanin)とケルセチン(quercetin)の コラボレーション故に、優れた効能を持つことが、常識となりつつあります。 赤ブドウの特異な成分であるレスベラトロールが、同じく赤ブドウ成分である ケルセチン、アントシアニンとコラボしているのです。 日本には山形県庄内産(平田ネギ)や茨城産の 赤ネギが在ります.やや硬いのが難点. 4.ラテン系民族が好む紫色の玉ねぎと紫色のニンニク 野菜類に含有する黄色、赤色のカロチン(カロテン)類の存在は良く知られていますが フランス人、スペイン人、イタリア人は野菜や果物の赤紫色にこだわり ニンニクやタマネギもアントシアニンの赤紫色が入る品種を選ぶ人が 少なくありません。 フランス、スペイン、イタリアの三国はワイン生産、消費の世界三大大国。 ニンニクやタマネギがブドウのレスベラトロール、アントシアニンと コラボすると偉大な健康増進効果を得られることを体験的に知っているのでしょう。 写真上は硬首(hardneck)タイプのフランス産のロートレック・ロゼ・ニンニク. 赤紫品種の軟首(softneck)タイプ ![]() フランスは農業大国ですが、広い農地にかかわらず農産品を東欧、 スペインや、モロッコなど旧宗主国からの輸入でまかなう部分が多いことで 知られています。 フランス料理の柱となるニンニクやタマネギも世界的なランクでいえば フランスが生産量上位に顔をだすことはありません。 野菜が健康食品なのを熟知していますから、有機や非遺伝子組み換えにこだわり、 低廉良質を求め、輸入を含めて選択肢を広げています。 好みの野菜は輸入で賄う(まかなう)ことを躊躇(ちゅうちょ)しませんから 日本のように工業化による大量生産に関心が低いのが特徴的です。 「フランスの大蒜(にんにく)生産事情」 http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=478 写真上は日本に輸入されたアメリカ産紫小玉ねぎ フランス産エシャロット(Echalote) ![]() ![]() 北米産エシャロット(Echalote) 5.日本人のニンニクとタマネギの消費量 日本人のニンニク摂食量が韓国人の10分の1なのはよく知られていますが、 欧米人やタイ人、フィリッピン人に較べても3から5分の1くらい。 日本の生産量は落ちることはあっても、ほとんど伸びずに20,000トン/年前後。 出荷量が13,000トン強くらいですから輸入の約2~30,000トンを加えても 消費量は最大50,000トン弱、とごくわずか。 最新2024年の世界のニンニク総生産量は、統計が不正確とはいえ中国が 世界総生産量: 約2,800万トン〜3,000万トン規模。 世界全体の75〜80%を占めるといわれて、世界中が中国からの輸入に依存しています。 インド: 約326万トン バングラデシュ: 約55万トン エジプト: 約49万トン 韓国: 約30〜40万トン台(時期により変動) アメリカ: 約20万トン台 スペイン: 約15〜20万トン台(ヨーロッパ最大級の輸出) 2024年の世界タマネギ生産量は約1億トン。トマトに次ぐ野菜類第2位ですがインド、中国が約50%を
占めています。 インド(約2,400万〜3,000万トン) 中国(約2,400万〜2,500万トン) エジプト(約300万〜380万トン) アメリカ(約300万〜330万トン) 日本の玉ねぎ生産量は他の野菜類と較べて比較的多いですが、それでも120万トン強。 韓国より生産量が少なく、輸入の約30万トン前後を加えても消費量150万トンでは 多いとは言えません。 ルーツが近い韓国人のスタミナや筋力に、大きく劣っている原因の一つでしょう。 ![]() 湘南レッド 神奈川県農業技術センター(旧神奈川県農業総合研究所園芸分場)が 1962年に育成した、湘南レッドとネーミングされた赤タマネギも生産されています。 Stockton Eaely Red(ストックトン・アーリーレッド)の品種改良.
6.発酵黒ニンニクの効用 発酵黒ニンニクは食べやすくなりますが 「生ニンニクと同じ効能があるのか.どのような効能の違いがあるのか」は不明. 水溶性S-アリル-L-システイン量などのデータを出している製造元もありますが、 アリシンへの変換を助けるアリイナーゼ活性を維持しているのかどうか。 アリシンに変化しないS-アリル-L-システインに期待される効能があるのか 実態は確認できていません。 発酵黒ニンニクは日本でも脚光を浴びていますが、米国のスーパーでも 大型が2個で7ドルくらいで売られています。 健康効果は特に明記されませんが、食べやすいことが最大メリットのようです。 普通の乾燥ニンニクが1個70セントくらいですから、5倍の高価格。 日本でも1個が500円くらいします。 電気釜の保温温度で時間をかけて自作する人が増えているようですが、 刺激臭が無く、干しプラムのようで甘く食べやすいということは 少なくとも揮発性の脂溶硫化物質の効能がなくなっていると推定できます。 青森県産6片ニンニクを使用した発酵黒ニンニク. ニンニクを写真のチェンバーに入れて一定の温度を負荷し加熱熟成させる. ![]() 食材研究家:しらす・さぶろう 初版: 2016/04/08 改訂版:2018/09/30 :2026/03/21 マスメディアで話題の長寿と癌(がん)の最先端研究 http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=605 ナイアシン(NAD+ NMN)がサーチュインとコラボレーション:長寿と癌(がん)研究 http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=156 ノーベル医学生理学賞を受賞したテロメラーゼの発見:テロメアとテロメラーゼ http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=522 老化促進AGEと異性化糖:Advanced Glycation End Products http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=206 天然オメガ3脂肪酸の抗炎症メカニズム:脂質メディエーターのレソルビン(Resolvin)とは (広告)
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