健康と食品の解説
麻薬のルーツは麻黄(Ephedra sinica:エフェドラ)のアルカロイドエフェドラ・アルカロイドから作られた神経毒のエフェドリン(ephedrine)
2023/11/17
1.米国でも禁止されたエフェドラ(Ephedra)のサプリメント 2.日本では従来から禁止されているエフェドラ(麻黄:マオウ)のサプリメント 3.マオウ(Ephedra)からエフェドリンを分離した東大の長井長義教授 4.マオウ(麻黄)の種類 5.合成エフェドリンを含有する初期のダイエット系、享楽系サプリメント 6.アルカロイド(Alkaloids)とは 7.ナス科(Solanaceae)のアルカロイド(Alkaloids) 8.ケシ科(Papaveraceae)のアルカロイド:アヘン、モルヒネ 9.キンポウゲ科(Ranunculaceae)のアルカロイド(Alkaloids) 10.アカネ科 (Rubiaceae) のアルカロイド(Alkaloids) 1.米国でも禁止されたエフェドラ(Ephedra)のサプリメント 米国では2004年4月から、エフェドラ(Ephedra)とエフェドラから抽出される アルカロイド成分のエフェドリン(ephedrine)のサプリメントが、 実質的に販売できなくなりました。 エフェドラは日本でマオウ(麻黄:Ephedra sinica STAPF )とよばれる生薬植物。 米国では2004年までは自由に製造販売されていましたが 副作用の心臓血管病,心拍異常,けいれん発作,精神異常などが多発し、死亡者も出ていました。 米国の販売禁止は2004年2月にFDAにより制定された新規則が、2ヵ月間の猶予をおいて、 4月8日から施行されたものです。 エフェドラは神経に作用する植物毒(アルカロイド)を含有します。 ダイエット効果(脳神経に働き、食欲不振になる)を期待するサプリメントが普及していましたが、 性的享楽、ボディービルディング、エネルギー増強、花粉症対策などにも使用されていました。 永らく販売が自由であった米国でしたが、エフェドリンの服用量、服用法が難しいために、 米国医師会とFDAでは、これらの危険な副作用をたびたび警告し、 特に合成化合物(ephedrine *HCl)の危険性が高いと指摘していました。 サプリメントのほとんどは合成化合物の エフェドリン塩酸塩 : Ephedrine Hydrochloride です。 *HCl(塩化水素:hydrogen chloride) 塩素と水素から成るハロゲン化水素。 化学式 HCl。 常温常圧で無色透明、刺激臭のある気体。 有毒であり、塩酸ガスとも呼ばれる。wiki 2.日本では従来から禁止されているエフェドラ(麻黄:マオウ)のサプリメント 日本では従来からエフェドラの代表的アルカロイド(Alkaloids)成分4種類が医薬品と なっているため、エフェドラ(麻黄:Ephedra sinica Stapf)とエフェドリン(ephedrine)の輸入は、 エフェドリン含有サプリメント、お茶類も含めて禁止されています。 医薬品には エフェドリン(l-ephedrine)、 プソイドエフェドリン(d-pseudoephedrine)、 メチルエフェドリン(l-methylephedrine)、 ノルエフェドリン(l-norephedrine)の4種類が使用されています。 日本ではエフェドリン輸入が禁止されているため、個人輸入、代行輸入が抜け道となっていました。 3.マオウ(Ephedra)からエフェドリンを分離した東大の長井長義教授 エフェドリン(ephedrine)は1885年(明治18年)ごろ、 東京帝国大学医学部薬学科、長井長義教授により単離抽出され、構造が決定されました。 長井長義教授は明治13年(1880年)に設立された日本薬学会(東京都渋谷区)の初代会長。 エフェドリン(塩酸エフェドリン)(l-ephedrine) :心拍数増加、心拍出量増大、血圧上昇、気管支拡張、血管収縮、血清カリウム値の低下、 心悸亢進、食欲不振、発疹、口渇 プソイドエフェドリン(塩酸プソイドエフェドリン)(d-pseudoephedrine) : エフェドリンの異性体. 血管収縮、抗炎症作用 メチルエフェドリン(塩酸メチルエフェドリン)(l-methylephedrine) :気管支拡張、鎮咳、抗アレルギー ノルエフェドリン(塩酸フェニルプロパノールアミン)(l-norephedrine :血清カリウム値の低下、心悸亢進、食欲不振、発疹、口渇 4.マオウ(麻黄)の種類 エフェドラ(Ephedra:麻黄)は中国原産といわれ、気管支喘息の特効薬として歴史があります。 漢方薬の「麻黄湯」、「麻杏甘石湯」の主成分ですが、薬局で売られる風邪薬や「葛根湯」などに 微量が配合されているケースがあります。
マオウにはEphedra sinica、Ephedra intermedia、Ephedra equisetina Bunge の3種類ありますが、生薬の麻黄としては、Ephedra sinica系の 蒙古原産フタマタマオウ(マンシュウマオウ)(Ephedra distachya Linn)の栽培が主。
主として2004の禁止後にサプリメントとして出現。 体重減少の目的で使用される栄養補助食品。脂肪燃焼効果を謳う商品と ストリートドラッグの代替としてセックス目的、興奮剤として合成エフェドリンを 使用するものがあります。 米国FDAより警告されながらも全米で販売され、全面禁止の日本にも違法輸入されていました。 カッコ内は製造元。 Adipokinetix(ephedrine HCl含有*)(Better-Bodies, USA) Phenylkinetics,Libido Magic for Men、Libido Magic for Women(norephedrine HCl含有)(21st Century Sports Nutrionals Inc, USA) Overdrive(norephedrine HCl,ephedrine HCl含有)(Diabetes Tea, USA) Adrenalin(norephedrine HCl含有)(Muscle Lane Inc, USA) Hollywood Cuts(norephedrine HCl含有)(Scientifically Advanced Nutrition, USA) Lipodryl II(norephedrine HCl含有)(ThermoLife International, USA) Yellow Jackets(ephedra含有) 違法ストリートドラッグの代替品として性的享楽に利用されていました。 kola nut抽出物(caffeineアルカロイド)などを含有する。 Herbtech (ephedra含有) Trip2Night,(ephedrine HCl含有)性的享楽、精力ハーブ剤 Benzo-Berries、(ephedrine HCl含有)リラクゼーションハーブ剤 Liquid Bezz、(ephedrine HCl含有)性的享楽目的の液体ハーブ剤 Salvia 5X、(ephedrine HCl含有)精神開放ハーブ剤 AMP II Pro Drops、(ephedrine HCl含有)体重減少目的。 **HClは塩酸塩(hydrochloride)の略語で合成化合物を意味します。 警告対象となったのはノル・エフェドリン(norephedrine HCl)がほとんどでした。 Yellow Jackets社はエフェドラ(ephedra),コーラナッツ(*kola nut抽出物)、 カフェイン(caffeine)などを含有するハーブ製品。 Herbtech社は合成エフェドラ(ephedra)またはマオウ(ma huang)を含有する各種製品を 非合法的ストリートドラッグの代替品として販売していることに対して違法警告されました。 大手のHerbtech社が警告された目的別ドラッグの商品名は下記です。 性的享楽、精力強化ハーブ剤:Trip2Night, リラクゼーションハーブ剤:Benzo-Berries, 多目的液体ハーブ剤:Liquid Bezz, 精神開放ハーブ剤:Salvia 5X *コーラ・ナッツ(kola nut)は学名Cola acuminataなど。アフリカに多い樹木の果実。 コカコーラの原点となったといわれます。カフェインなどのアルカロイドに富みます。 エフェドリンと同様喘息などに使用されていました。 6.アルカロイド(Alkaloids)とは アルカロイドはアルカリ様という意味で、動植物に含有されるアルカリ性(塩基性)成分の総称です。 特に植物には多く分布します。 植物毒のほとんどは、アルカロイド成分が占め、マオウ科、ナス科、ケシ科、メギ科、キンポウゲ科、 アカネ科、マメ科、ユリ科、ヒガンバナ科など多数の植物に含有されます。 植物毒のアルカロイドは神経ホルモン様の働きを示し、末端神経に入り込むと、 少量で神経を麻痺させる毒性を示します。 この作用が医療分野で応用されて、多数の医薬品が開発されています。 代表的な薬用植物アルカロイドにはマオウ科のエフェドリン(ephedrine)の他、 下記の種類があります。 7.ナス科(Solanaceae)のアルカロイド(Alkaloids)ハシリドコロ(Scopolia japonica):ナス科(Solanaceae) ハシリドコロ(Scopolia japonica) ベラドンナ(Atropa belladonna) チョウセンアサガオ(Datura stramonium) 代表的アルカロイド成分名:はスコポラミン(Scopolamine)、アトロピン(atropine) スコポラミン、アトロピン合成物質には、副交感神経拮抗薬(商品名ブスコパン:buscopan)、 アトロピン系鎮痙剤(商品名パンテリン)、白内障治療薬(商品名ロートエキス。 瞳孔括約筋を弛緩させる作用)など多数の医薬品があります。 スコポラミン、アトロピンはアセチルコリンの可逆的拮抗物質です。 この作用はサリンの解毒薬に使用されるそうです。 8.ケシ科(Papaveraceae)のアルカロイド:アヘン、モルヒネ ケシ(芥子)は地中海原産といわれます。東ヨーロッパ、アジアの高原地方で栽培される。 代表的アルカロイド成分名: モルヒネ(morphine)、コデイン(Codeine)、パパベリン(Papaverine)、ノスカピン(Noscapine) 実の乳液が麻酔、鎮痛剤、麻薬のアヘン(阿片:Opium Pulveratum)に使用されます。 ケシ科には200種類以上があり、園芸栽培される小型のヒナゲシ(雛芥子、Papaver rhoeas L.)、 別名グビジンソウ(虞美人草)はポピー(Poppy.)として親しまれていますが、 毒性のアルカロイドは、ほとんどありません。
(参考) フェンタニル(Fentanyl:商品名)。 2015年6月15日に北海道八雲町総合病院の医師と看護師が麻薬として 使用していた麻酔薬がフェンタニル。 オピオイド性鎮痛薬系と呼ばれるヘロイン系統の合成物ですが モルヒネよりはるかに強力なために癌(がん)患者に投与されることが多い。 血漿中からは1時間くらいで消滅。 3-4時間の滞留で体外排泄されるためにチャイナホワイトと俗称される ストリート麻薬として悪用されることが多い。 オキシコドン (oxycodone) (商品名:オキシコンチンなど) 2015年6月18日にトヨタ自動車常務に新任した広報担当の米国人女性が 麻薬取締法で逮捕されたのもオピオイド系鎮痛薬(麻薬系鎮痛剤)の オキシコドン入手によるもの。 アヘンのアルカロイド成分のテバイン*由来合成鎮痛剤で癌患者の鎮痛に使用されることが多い。 女性役員の事件は嫉妬による内部通告の様相もありますが鎮痛剤に関する日米の文化の違いが あるようにも思えます。 ただし、入手手法から推測して日本では違法なことを存知していたと考えられているようです。 *テバイン (thebaine)はパラモルフィン (paramorphine)とも 呼称されます。 9.キンポウゲ科(Ranunculaceae)のアルカロイド(Alkaloids) オウレン(黄連)(Coptis japonica、Coptis chinensis): キンポウゲ科(Ranunculaceae) 中国、日本に自生する。 代表的アルカロイド成分名:ベルベリン(Berberine)、パルマチン(palmatine) 生薬として根茎が苦味健胃整腸,消炎,精神不安に使用されます。 オウレン(黄連)(Coptis japonica、Coptis chinensis) 10.アカネ科 (Rubiaceae) のアルカロイド(Alkaloids) アカキナノキ(学名:Cinchona succirubra, Pavon)(Cinchona pubescens Vahlという説もあります) キナ属(Cinchona) アカネ科 (Rubiaceae) 南米アンデス原産。 コロンビアなどで栽培されていますが、インドネシアが世界市場を独占しています。 キナアルカロイドを含有するキナにはCichona ledgeriana、Cinchina calisaya、Cinchona pubescens Vahl 、Cinchona cordifolia、Cinchona lanceifolia、Cinchona ovalifolia、 Cinchona icinalisなど、種類はいくつかあります。 代表的アルカロイド成分名:キニーネ(quinine)、キナ酸(quinic acid)。 キナアルカロイドは数十種類あります。キナの皮(Cinchonae Cortex)に含まれるキニーネは 古くからのマラリア治療薬です。 アカネ科には多種類ありますが、コーヒーの木、精力剤のヨヒンベの木が著名です。 園芸種ではクチナシが代表的です 初版:2004年4月 改訂版:2014年5月 改訂版:2015年6月 改訂版:2022年9月 (広告) https://www.botanical.jp/item_view.php?item_number=28 レスベはフランス産の天然赤ブドウを原料に日本で初めて作られた ブドウ・レスベラトロール・サプリメント. 最初のモデルの開発を始めてからすでに20年を超えました。 レスべのブドウ・レスベラトロールはイタドリ由来のものや、医薬品目的に 化学合成された合成レスベラトロールとは全く異なる物質。 天然レスベは過剰摂取が不要ですから長期間摂取の安全性や慢性炎症を抑制する効能は ブドウを食するのと同じです ニューモデルは天然の赤ブドウが持つトランス型ブドウポリフェノールのスチルベノイドと プテロスチルベン、ケルセチン、CoQ10、 最新の長寿補酵素ナイアシン(NAM,NAD+, NMNなどの総称)を配合し、 天然ブドウ同様の卓越した抗酸化能力を保持しています. 世界でホットな話題となっている、最も先端的な健康長寿のコンビネーションです. 朝のすこやかな目覚めは病気知らずの健康のもと。「目覚めすっきりアサイーナ」 発売15周年記念のレスベが値下げ. 親戚といえるアサイーもリニューアルし実質的な大幅値下げ. 2ヶ月分が会員価格で1899円(税込). 大型のカプセルを使用し1カプセルで500㎎のアサイーとなりました. 「ブドウ・レスベラトロールが関わる窒素合成と サイクリックジーエムピー(GMP)の産生」 http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=66 エネルギー源となるエーティーピー(ATP:アデノシン三リン酸)とは http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=147 「バルクワインの重金属汚染と無添加ワインのからくり」 http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=448 「ヒジキなどの食品ヒ素に肺がんリスク:国立がん研究センター」 ヒジキは必ずしも健康食品ではありません http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=123 https://www.botanical.jp/item_view.php?item_number=36 https://www.botanical.jp/item_view.php?item_number=1011 歴史が浅いバイアグラは化学合成物質ですから長期間服用の安全性は不明ですが、 その機能は窒素合成阻害酵素の阻害機能。 シトルリンが窒素合成の素材として機能し、レスべが窒素合成酵素を作り出す 機能と切り口は異なりますが、中枢神経を興奮させる媚薬、催淫剤と 一線を引く点では同じです。 バイアグラ、マカや朝鮮ニンジンなど植物のアルカロイドを催淫剤として過剰摂取となる方が増え 前立腺がん、機能不全(ED)、腎不全などの原因を疑われています。 シトルリンはレスベと相乗させれば少量で十分ですから過剰摂取を控えましょう。 ブドウ・レスベラトロールが関わる窒素合成とサイクリック・ジーエムピー(GMP)の産生 シトルリンとレスべの超お買い得セット. もちろん個別でもお買い求めいただけます. 「ブドウ・レスベラトロールは体細胞内でガン阻害物質に変化する」 http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=196 レスヴィーヌ・ルージュ:ギリシャ時代から愛用されてきたブドウ古樹の葉. 有機栽培された農薬フリーのブドウ葉 レスベの補完に最適.フランスでは漢方薬同様に薬局で売られています. 「煎じるブドウ・レスべラトロールで長寿と美容へ最短距離」 JAS認定有機食品.東京都特別推奨食品のケール100%. 安全な天然カルシウム豊富な特殊土壌で栽培. 各種天然ビタミン、ミネラル、アミノ酸が最も豊富な野菜のケール100%で作られた 天然マルチ栄養素・サプリメント.他野菜の混入なしに飲みやすい美味しさを持っています 賦形剤は一切使用していません。 http://www.botanical.jp/item_view.php?item_number=53 「サメの肝油とスクアレン/スクワレン(Squalene)とは」 サメの肝油が含有する成分の強力な免疫力強化作用は、食品の中では最大とも言われており 1900年代より、その秘密を解明する研究が続けられた結果、免疫に不可欠な白血球の増加に働く アルコキシグリセロール(alkoxyglycerols)を発見しました。 30粒から40粒に増量となりました リッチスクワレンは汚染の進む太平洋産原料を避け、 希少なオセアニア近海産原料で安全性を確保していま |
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