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ステロイドホルモンが過剰免疫作用をコントロールする
2017/10/27
ステロイドホルモンは副腎皮質から分泌されることから別名が副腎皮質ホルモン。
ステロイドとは生体で合成されるコレステロール、胆汁の胆汁酸に代表される有機化合物の総称。
生物の細胞膜の構成に重要な脂質成分であり性ホルモンとも密接な関係があります。

アレルギーなど過剰免疫作用を抑制する通称ステロイド医薬品はステロイドホルモンの
コルチゾン(cortisone) やコルチゾール (cortisol)。
中枢神経が副腎皮質ホルモン分泌量を左右することからアレルギーやアトピーの症状は
脳神経の働きと密接な関連があります。
また副腎皮質は躁鬱(そううつ)と関係するアドレナリンも分泌します。



1.ステロイドホルモン(副腎皮質ホルモン)とは
2.副腎皮質の構造
  顆粒層(球状層)(zona glomerulosa)
  束状層(zona fasciculate)
  網状層 (zona reticularis)
3.ステロイドホルモン(副腎皮質ホルモン)の合成
4.コレステロールが作る二種類のステロイドホルモン

グルコ・コルチコイド(glucocorticoid)(糖質コルチコイド)
ミネラル・コルチコイド(mineralcorticoid)(鉱質コルチコイド)


1.ステロイドホルモン(副腎皮質ホルモン:adrenal steroid hormone)とは
副腎(adrenal gland)の外側の部分にある副腎皮質(adrenal cortex)から分泌されるのが
副腎皮質ホルモンで、略称してステロイドホルモンとも呼ばれます。
ステロイドホルモンは血糖、脂肪、電解質、骨、筋肉などの代謝に関連の深い物質です。

2.副腎皮質の構造
副腎皮質の構造は三層から構成されており、各々異質のステロイドホルモンを分泌すると言われます。
健常者の場合は副腎から、コルチゾール(cortisol)量に換算して1日当たり推定20mgから30mgの
ステロイドホルモンが分泌されます。
副腎の内部は副腎髄質と呼ばれ、躁状態に関連するエピネフリン(epinephrine)
と欝状態に関連するホルモンのノルエピネフリン(norepinephrine)を分泌します。
エピネフリン、ノルエピネフリンはそれぞれアドレナリン(adrenaline)、
ノルアドレナリン(noradrenaline)ともよばれますがこれは別名、または同義語。
学問の世界では学名、呼称が二つ以上になることもありますが、学者の功名争い
程度に考えれば不思議ではありません。
 
a. 顆粒層(球状層:zona glomerulosa)
   コレステロール(cholesterole)、プレグノロン (pregnenolone) 、プロゲステロン(progesterone) 、
  デオキシコルチコステロン(deoxycorticosterone DOC) 、コルチコステロン(corticosterone) 、
   アルドステロン(aldosterone)などを分泌します。
b. 束状層(zona fasciculate) グルコ・コルチコイド(後述)を分泌します。
c. 網状層 (zona reticularis) 男性ホルモンのアンドロゲン(androgen)が分泌されます。
   網状層はコレステロールを貯蔵するため、脂質顆粒が豊富です。
 
3. ステロイドホルモン(副腎皮質ホルモン)の合成
ステロイドホルモンはコレステロールより前躯体を経由して合成されます。
ステロイドホルモンは中枢神経など脳と密接な関連があり、分泌量が左右されます。
ステロイドホルモンが分泌するのは、ACTHと略称される、
副腎皮質ホルモン刺激ホルモン(アドレノコルチコトロピックホルモン:Adrenocorticotropic Hormone)の
刺激によるものです。
ACTHは脳下垂体前葉(pituitary gland)から分泌されるホルモンですが、ACTHの分泌には、脳の視床下部(hypothalamus)から分泌し、CRH と略称される、副腎皮質ホルモン刺激ホルモン放出ホルモン (コルチコトピン)(corticotropin-releasing hormone)が必要です。
 
4.コレステロールが作る二種類のステロイドホルモン
a.グルコ・コルチコイド(glucocorticoid:糖質コルチコイド)
糖代謝などに影響を与えるため、グルコ(糖質)コルチコイドと呼ばれています。                                                           
一般にステロイドと呼ばれている医薬品は、グルコ・コルチコイド類を指しています。
グルコ・コルチコイドには糖代謝、脂質代謝の他、非常に多くの重要な働きがありますが、
抗炎症作用(プロスタグランジンおよびロイコトリエン合成を抑制する)と、
免疫抑制作用(アレルギー症状などの過剰免疫)が医薬品としての主用途となっています。
コルチコステロン(corticosterone)のコルチゾン(cortisone) や
コルチゾール (cortisol) が代表的物質です。
b.ミネラル・コルチコイド(mineralcorticoid:鉱質コルチコイド)
電解質代謝に関係するステロイドホルモン。
電解質コルチコイドとも呼ばれます。
機能的な分類ではアルドステロン (aldosterone)、アンドロゲン(androgen)など
性ホルモンも主要合成物質といえます。
ドーピングで話題の合成アナボリック・ステロイド(蛋白同化ステロイド:THG)は
ミネラル・コルチコイドに分類されます。
アナボリック・ステロイドの長期使用によって骨壊死(オステオネクロシスOsteonecrosis)
または骨粗鬆症(Osteoporosis)が発生するという報告があります。

改訂版:2008年02月08日
改訂版:2013年09月01日
改訂版:2017年10月27日

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