健康と食品の解説
トランス型脂肪酸とは:食品表示を義務化した米国FDA
2013/08/30
米国では2003年から3年近い猶予期間が終了し、2006 年1月1日から食品にトランス型脂肪酸の
含有量表示が義務付けられました。
トランス脂肪の有害論が世界の食品業界に多大な影響を与えているのは
食用油、食用油脂の抽出にはトランス脂肪が生成される製法が多用され、
製パン、製菓業界では、成形や保存にトランス脂肪が重要な役割を果たすからです。


  1. トランス型脂肪酸、シス型脂肪酸、水素添加化合とは。
  2. トランス型脂肪酸を含有する食品。
  3. トランス型脂肪酸の有害性。
  4. トランス型脂肪酸の食品ラベル表示決定の背景。
  5. トランス型脂肪酸の食品ラベル表示決定までの歴史。
1.トランス型脂肪酸(Trans fatty acid)、シス型脂肪酸(Cis fatty acid)、
水素添加化合(hydrogenation)とは

トランス型脂肪酸は省略してトランス脂肪(trans fat)とも呼ばれています。
トランス型脂肪酸は飽和脂肪酸の構造になりますが、不飽和脂肪酸が変化した状態のみを指します。
脂肪酸は水素を結合した炭素が鎖状に結合していますが、
魚油や植物の種などに含有される不飽和脂肪酸(unsaturated fatty acids)のほとんどは、
変化しやすい、不安定な形のシス型脂肪酸として存在しています。

不飽和脂肪酸には炭素が2重結合した部分がありますが、その部分の炭素には、
二つの水素原子が片側にリンクしています(図左側)。


これらは炭素連鎖の中でお互い、反発しながらどこまでも絡まっていきます。
これがシス型脂肪酸と呼ばれるものです。
ネーミングの由来はラテン語の「同じ側」という言葉からです。

不安定なシス型脂肪酸は老化、酸化しやすいのが欠点。
そのために製油や加工食品には安定した脂肪酸が必要となります。
シス型脂肪酸は加熱するか、*意図的に炭素の2重結合部分の水素を反転させると
水素添加化合(hydrogenation)がおこります。
水素添加化合は炭素の二重結合部分に水素を化合させて、単結合にすることで、
2重結合の二つの水素原子が反対側に移動するという化学的変化(図の右側)。
これがトランス型脂肪酸で、絡まりが解けて鎖は直線的になります。

直線的な脂肪酸分子の鎖は絡まったものよりコンパクトになります。
ということは全体的に安定化するということです。
ネーミングの由来は水素添加化合が行われる時の、水素の移動(トランス)を指しています。
水素添加化合により不飽和脂肪酸のオレイン酸(Oleic acid)やリノール酸(linoleic acid)は
二重結合を失い、飽和脂肪酸のステアリン酸(stearic acid)となります。
*工業的水素添加化合(hydrogenation)は圧縮水素を金属触媒により添加。
製油の場合は抽出時に化学溶剤のヘキサン(hexane:C6H14)を使用することも多いようです。
ヘキサンはヨウ素、臭素を溶かす無極性溶剤としても使用される物質。

2.トランス型脂肪酸を含有する食品
大部分の植物食用油は加熱や水素添加によって製造されます。
したがって、植物性食用油から作られるショートニング、マーガリン、飴、クッキー、スナック菓子、
フレンチフライなど揚げ物、サラダ・ドレッシング、パンなど焼き物が、主たるトランス脂肪含有食品。
動物性ではバター、チーズ、牛肉、羊肉などにも、少量ですがトランス型脂肪酸が、含まれます。
牛など食物を反芻消化する哺乳類は、胃の微生物によってもトランス脂肪が合成されますから
反芻動物の肉や乳脂肪中にもトランス脂肪が存在します。
一時は問題になるほどの量が含有されていないといわれたことがありますが近年は牛肉の赤身など
は危険性が論じられるようになりました。

3.トランス型脂肪酸の有害性。
米国食品医薬品安全局(FDA)*がトランス型脂肪酸の食品ラベル表示に踏み切ったのは、
トランス型脂肪酸が、悪玉コレステロールのLDLコレステロール値(low-density lipoproteins)を上昇させる
飽和脂肪酸というばかりで無く、より影響の大きいだろう、善玉コレステロールのHDLコレステロール値(high-density lipoproteins)を低下させることを認めたからです。
HDLコレステロールの総コレステロールにおける割合の低下は、LDLコレステロール値の多少より、
はるかに冠状動脈に悪影響を与える指標マーカーです。
トランス型脂肪酸は脳の血管にも悪影響を与え、アルツハイマーやパーキンソン病の原因となるとい
う研究もあります。
また血中の中性脂肪の大部分を占めるトリグリセロール(triglycerides) が増加することで
インシュリン抵抗性が増し、高血圧、糖尿病、心臓病の原因ともなるといわれます。
*食品医薬品安全局(FDA)(the Food and Drug Administration)は
米国厚生省(US Department of Health and Human Services)の部局。

4.トランス型脂肪酸の食品ラベル表示決定の背景。
米国、国立心肺血液研究所(the National Heart Lung and Blood Institute)の調査では、
米国には1250万人の冠状動脈疾患患者がいると言われ、毎年50万人を超える死者が発生しています。
食品医薬品安全局(FDA)はトランス脂肪とコレステロールに関する情報を米国立衛生研究所*(NIH)の
コレステロール教育計画特別チーム(the National Cholesterol Education Program)、
全米科学アカデミー(National Academies of Science)の医療研究所(医学院:Institute of Medicine)、
2000年の米国食事摂取基準*を作成した特別委員会(the Advisory Committee on the Dietary Guidelines for Americans)などに求め、その都度、結果を公表してきました。
*米国立衛生研究所(NIH)(the National Institutes of Health)は
米国厚生省(US Department of Health and Human Services)傘下の研究所。
*農林省(US Department of Agriculture)(USDA)などにより、5年ごとに作成される。

5.トランス型脂肪酸の食品ラベル表示決定までの歴史。
米国では1990年11月8日に栄養表示規制法(the Nutrition Labeling and Education Act)(NLEA) が成立し、
1993年からコレステロール、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸の量が食品ラベルに表示されるようになりました。
すでに有害性が問題になっていたトランス型脂肪酸の含有量表示は、この時には対象外となりました。
1994年ごろに、消費者擁護科学センター(the Center for Science in the Public Interest)の強い陳情が始まりますが、
有害性、有害量の決定的な証拠が提出できないために、度重なる改訂時にも表示に踏み切ることが出来ませんでした。
現在の製パン、製菓、フライなど、マーガリンや油脂を使用する加工食品業界においては、
トランス型脂肪酸が常用されているために、確たる根拠なしに早急に禁止するわけにはいかない
事情がありました。
1999年になり、多くの研究報告が出揃ったため、FDAはラベル表示にトランス脂肪の含有量を記載すべき、
とする方向になりましたが、実際に決定されたのは2003年7月9日。
FDAは2006年1月1日まで表示義務を猶予していますが、この日より3年間で少なくとも
600 -1200 件の冠状動脈疾患を防ぎ、250-500人の死者が救えると予想しています。
ラベル表示は一日摂取量0.5グラム以上のサプリメントにも適用されます。

初版:2005年10月


(広告)

ノギボタニカルのサプリメントはトランス脂肪酸フリーの天然由来素材.
食材として数百年以上歴史のある天然健康素材を選んでいます.
永いご使用に耐える安全性を重視しているからです。
細胞やホルモン造りに欠かせない脂肪酸のラインアップに特徴があります.



https://www.botanical.jp/item_view.php?item_number=28
レスベはフランス産の天然赤ブドウを原料に日本で初めて作られた
ブドウ・レスベラトロール・サプリメント.
最初のモデルの開発を始めてからすでに20年を超えました。
レスべのブドウ・レスベラトロールはイタドリ由来のものや、医薬品目的に
化学合成された合成レスベラトロールとは全く異なる物質。
天然レスベは過剰摂取が不要ですから長期間摂取の安全性や慢性炎症を抑制する効能は
ブドウを食するのと同じです
ニューモデルは天然の赤ブドウが持つトランス型ブドウポリフェノールのスチルベノイドと
プテロスチルベン、ケルセチン、CoQ10、
最新の長寿補酵素ナイアシン(NAM,NAD+, NMNなどの総称)を配合し、
天然ブドウ同様の卓越した抗酸化能力を保持しています.
世界でホットな話題となっている、最も先端的な健康長寿のコンビネーションです.


朝のすこやかな目覚めは病気知らずの健康のもと。「目覚めすっきりアサイーナ」
発売15周年記念のレスベが値下げ.
親戚といえるアサイーもリニューアルし実質的な大幅値下げ.
2ヶ月分が会員価格で1899円(税込).
大型のカプセルを使用し1カプセルで500㎎のアサイーとなりました.
「ブドウ・レスベラトロールが関わる窒素合成と
サイクリックジーエムピー(GMP)の産生」
http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=66
エネルギー源となるエーティーピー(ATP:アデノシン三リン酸)とは
http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=147
「バルクワインの重金属汚染と無添加ワインのからくり」
http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=448
「ヒジキなどの食品ヒ素に肺がんリスク:国立がん研究センター」
ヒジキは必ずしも健康食品ではありません
http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=123


https://www.botanical.jp/item_view.php?item_number=36

https://www.botanical.jp/item_view.php?item_number=1011

歴史が浅いバイアグラは化学合成物質ですから長期間服用の安全性は不明ですが、
その機能は窒素合成阻害酵素の阻害機能。
シトルリンが窒素合成の素材として機能し、レスべが窒素合成酵素を作り出す
機能と切り口は異なりますが、中枢神経を興奮させる媚薬、催淫剤と
一線を引く点では同じです。
バイアグラ、マカや朝鮮ニンジンなど植物のアルカロイドを催淫剤として過剰摂取となる方が増え
前立腺がん、機能不全(ED)、腎不全などの原因を疑われています。
シトルリンはレスベと相乗させれば少量で十分ですから過剰摂取を控えましょう。
ブドウ・レスベラトロールが関わる窒素合成とサイクリック・ジーエムピー(GMP)の産生


シトルリンとレスべの超お買い得セット.
もちろん個別でもお買い求めいただけます.


「ブドウ・レスベラトロールは体細胞内でガン阻害物質に変化する」
http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=196

レスヴィーヌ・ルージュ:ギリシャ時代から愛用されてきたブドウ古樹の葉.
有機栽培された農薬フリーのブドウ葉
レスベの補完に最適.フランスでは漢方薬同様に薬局で売られています.
「煎じるブドウ・レスべラトロールで長寿と美容へ最短距離」
JAS認定有機食品.東京都特別推奨食品のケール100%.
安全な天然カルシウム豊富な特殊土壌で栽培.
各種天然ビタミン、ミネラル、アミノ酸が最も豊富な野菜のケール100%で作られた
天然マルチ栄養素・サプリメント.他野菜の混入なしに飲みやすい美味しさを持っています
賦形剤は一切使用していません。
http://www.botanical.jp/item_view.php?item_number=53



「サメの肝油とスクアレン/スクワレン(Squalene)とは」

サメの肝油が含有する成分の強力な免疫力強化作用は、食品の中では最大とも言われており
1900年代より、その秘密を解明する研究が続けられた結果、免疫に不可欠な白血球の増加に働く
アルコキシグリセロール(alkoxyglycerols)を発見しました。
30粒から40粒に増量となりました
リッチスクワレンは汚染の進む太平洋産原料を避け、
希少なオセアニア近海産原料で安全性を確保しています.
↑ページの先頭に戻る


 本サイトが掲載する情報・画像等は、提携サイトの湘南情報サイト「ロハスケ」編集部より提供されています。
著作権は「ロハスケ」編集部に属します。
権利者の許可なく複製、転用、販売などの二次利用をすることを固く禁じます。
商業目的に記事を引用、転写する場合は、引用:一項30,000円、転写:50,000円となります。

Copyright NOGI-BOTANICAL All rights reserved. 
本サイトが掲載する情報・画像等は、広告主の湘南情報サイト「ロハスケ」編集部より提供されています。著作権は「ロハスケ」編集部に属します。
権利者の許可なく複製、転用、販売などの二次利用をすることを固く禁じます。