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アスベストによる健康被害:アスベストは塩化ビニール(PVC)床材が怖い
2013/10/16
一般消費者からは、アスベストがどこに存在し、どのように身を守ったらよいか
という質問が多いそうです。
2005年にクボタとニチアスが最初に報告したことから、屋根材と断熱材ということは
理解しているようですが、他にもあるのではないか?
自分の家に使用されていたらどうしよう、公的施設に使用されていたらどうしよう、
などなど、疑問は多様。
行政からもネットではいろいろなQ&Aが掲載されていますが、
行政は生産者保護を優先してきましたから、消費者は懐疑的です。

ケベック州(カナダ)のアスベスト採石場.
米国、欧州が輸入禁止後も日本が輸入していた.



1.アスベストの大部分は建材
2.消費者が注意すべきアスベスト建材
3.塩化ビニール系床材が危険
4.1980年代の塩化ビニール系の床材
5.ビニール系床材の国内製造会社、OEM販売会社、輸入品販売会社
6.輸入された米国の主要ビニール系床材の製造会社



 
1. アスベストの大部分は建材
アスベストの有害問題は30年以上も議論されていましたが、代替品が出るまでは
全ての関連産業で禁止されることがありませんでした。
問題が根深いのは、代替品が現在に至るもほとんど無いことです。
消費者も身を守るのが容易ではありませんが、アスベスト用途は9割が建材ですから、
まず身近な住居を点検してください。
近年では1980年代から90年の始めにかけての建材が最も危険。
建築ブームとなったこの頃は商業建築、住宅にアスベストが非常に多く使用されています。
産業用と異なり、民用では屋根材、断熱材、壁下地、床材がアスベストの主用途。
建材以外で身近なのは、自家用車、自転車のブレーキライニングやパッド、魚を焼く網、七輪なども
話題になりますが、建材から注意を逸らせてはなりません。
建材は比較的容易に代替品が得られるのが救いです。危険なものは交換すべきです。
 
2. 消費者が注意すべきアスベスト建材
クボタのカラーベストなど屋根材は、現在(2004年)でも5軒に1軒は使用されているといわれ、
古いものは危険が増しますが、屋根材は大気に飛散したアスベスト濃度の問題になります。
また壁下地材(石膏ボード)や断熱材は密封されていますから飛散は少ないと
思われますが(地下室、屋根裏部屋は危険といわれます)、古い建築で壁に隙間などの
多い住宅が危険。
米国、カナダからの輸入物に多いのが、アスベスト入り石膏製品。
天井や壁、柱の装飾材(モールディング)があります。
豪邸といわれる住宅に多く、一般では普及していませんが、これは危険があると認識すべきです。
カナダ、アメリカのモールディング製造会社はアスベスト訴訟でほとんどが倒産しています。
 
3. 塩化ビニール系床材が危険
住宅で一番危険なのはビニール系床材でしょう。
トイレ、キッチン、リビングなどに使用されています。
アスベストの主用途はバッキング。
また塩化ビニール材表面の充填材に使用しているものがありますから、
室内では、歩行により磨耗し、毎日少量ずつ飛散します。
アスベストのバッキングが磨耗で露出している商業施設や住宅は論外ですが、
一般消費者が最も注意すべき建材は塩化ビニール床材なのです。
床材もいろいろありますが、1980年代から90年の始めに隆盛を極めた、
塩化ビニール系の床材はアスベストが含有されていたものが多々ありました。
最近は床材もフローリングやセラミック製品、石材が多くなり、ビニール系は人気がありませんが、
戦後(1945年以降)はタイル状、シート状のビニール床材が住宅にも多用されていました。
 
4. 1980年代の塩化ビニール系床材
床材はカーペットなど繊維系、フローリングなど木質系、塩化ビニール系が御三家。
80年代から90年代にかけては、年間の生産量は各々7-8千万平方メートルもありました。
生産量はビニール系の床材が最も多かったといわれ、大きく分けてシート状と、
タイル状の製品があります。
アスベストは主としてバッキング、充填材に含有されます。

*クッションシート(長尺シート、ビニールシート)
プリント絵柄の豊富なシート床材。バッキングがあります。
*ンレイドシート(アームストロング床材など)
表層が硬質塩ビチップで構成されているシート床材。
バッキングがあります。
*塩化ビニールタイル(Pタイル、塩ビタイル)
単層に見えますが、バッキングがあります。
*ソリッドビニールタイル(コンポジションタイル)
単層でバッキングはありません。硬質塩ビチップで構成されています。
*クッションビニールタイル(積層タイル、ホモジニアスタイル)
石材、木材の紋様などがプリントされているタイル。バッキングがあります。
*アスベストビニールタイル(アスベストPタイル)
1980年ごろには生産がストップされていた。アスベスト含有量の多いPタイル
Pタイルはメーカーの商標名ですが、安価なビニールタイルの通称でした。
タイルとは正方形、矩形などにカットされた床材を指します。
 
5. ビニール系床材の国内製造会社、OEM販売会社、輸入品販売会社
 大量生産、輸入が続いていた1990年ごろの主要会社のリストです。
取り扱いを中止、廃業している会社もあります。
販売商品のアスベスト含有の有無、含有量は各メーカーまたは
施工業者にお問い合わせください。
 
東リ(旧、東洋リノリウム)
タジマ(旧、田島応用加工)
信越ポリマー
松下電工
フクビ化学工業
ロンシール工業
富双合成
日東紡績
三菱バーリントン
タキロン
アキレス
アドヴァン
エルエスアイ
住友ベークライト
クリヤマ
セルコン
三協アルミニウム
住江織物
ABC商会(エービーシー商会)
日東商会

7. 輸入された米国の主要ビニール系床材の製造会社
(アスベスト補償により、全社が倒産しています)

アームストロング(Armstrong)
ガフ(GAF)
コンゴリウム(Congoleum)
ケンタイル(Kentile)
アズロックタイル(Azrocktile)
ナフコ(NAFCO:ナショナル・フロアーカバリング)

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