健康と食品の解説
麻薬、覚醒剤となるエフェドラ(Ephedra)とエフェドリン(ephedrine):
麻薬と植物のアルカロイド
2015/06/19


フタマタマオウ(マンシュウマオウ):Ephedra distachya Linn


1.米国でも禁止されたエフェドラ(Ephedra)のサプリメント 
2.日本では従来から禁止されているエフェドラ(麻黄:マオウ)のサプリメント 
3.マオウ(Ephedra)からエフェドリンを分離した東大の長井長義教授
4.マオウ(麻黄)の種類 
5.米国でFDAより警告されている合成エフェドリン製品 
6.アルカロイド(Alkaloids)とは
7.ナス科(Solanaceae)のアルカロイド(Alkaloids)
8.ケシ科(Papaveraceae)のアルカロイド:アヘン、モルヒネ

9.キンポウゲ科(Ranunculaceae)のアルカロイド(Alkaloids) 
10.アカネ科 (Rubiaceae) のアルカロイド(Alkaloids)
11.(第5項の補てん)米国の合成エフェドリン含有ブランド



1.米国でも禁止されたエフェドラ(Ephedra)のサプリメント 
米国では2004年4月から、エフェドラ(Ephedra)とエフェドラから抽出されるアルカロイド成分の
エフェドリン(ephedrine)のサプリメントが、実質的に販売できなくなりました。
エフェドラは日本でマオウ(麻黄:Ephedra sinica Stapf)とよばれる生薬植物。
米国では2004年までは自由に製造販売されていましたが副作用の心臓血管病,心拍異常,
けいれん発作,精神異常などが多発し
、死亡者も出ていました。
米国の販売禁止は2004年2月にFDAにより制定された新規則が、2ヵ月間の猶予をおいて、
4月8日から施行されたものです。
エフェドラは神経に作用する植物毒(アルカロイド)を含有します。
ダイエット効果(脳神経に働き、食欲不振になる)を期待するサプリメントが普及していましたが、
ボディービルディング、エネルギー増強、花粉症対策などにも使用されていました。
永らく販売が自由であった米国でしたが、エフェドリンの服用量、服用法が難しいために、
米国医師会とFDAでは、これらの危険な副作用をたびたび警告し、
特に合成化合物(ephedrine HCl)の危険性が高いと指摘しています。
サプリメントのほとんどは合成化合物のエフェドリンです。

2.日本では従来から禁止されているエフェドラ(麻黄:マオウ)のサプリメント 
日本では従来からエフェドラの代表的アルカロイド(Alkaloids)成分4種類が医薬品と
なっているため、エフェドラ(麻黄:Ephedra sinica Stapf)とエフェドリン(ephedrine)の輸入は、
エフェドリン含有サプリメント、お茶類も含めて禁止されています。

医薬品にはエフェドリン(l-ephedrine)、プソイドエフェドリン(d-pseudoephedrine)、メチルエフェドリン(l-methylephedrine)、ノルエフェドリン(l-norephedrine)の4種類が使用されています。
日本ではエフェドリン輸入が禁止されているため、個人輸入、代行輸入が抜け道となっていますが、
一般的に販売されているダイエット商品などに違法に混入されていることもあります。

3.マオウ(Ephedra)からエフェドリンを分離した東大の長井長義教授
エフェドリン(ephedrine)は1885年(明治18年)ごろ、
東京帝国大学医学部薬学科、長井長義教授により単離抽出され、構造が決定されました。
長井長義教授は明治13年(1880年)に設立された日本薬学会(東京都渋谷区)の初代会長。

エフェドリン(塩酸エフェドリン)(l-ephedrine)
:心拍数増加、心拍出量増大、血圧上昇、気管支拡張、血管収縮、血清カリウム値の低下、
心悸亢進、食欲不振、発疹、口渇 
プソイドエフェドリン(塩酸プソイドエフェドリン)(d-pseudoephedrine)
: エフェドリンの異性体. 血管収縮、抗炎症作用 
メチルエフェドリン(塩酸メチルエフェドリン)(l-methylephedrine) 
:気管支拡張、鎮咳、抗アレルギー 
ノルエフェドリン(塩酸フェニルプロパノールアミン)(l-norephedrine
:血清カリウム値の低下、心悸亢進、食欲不振、発疹、口渇 

4.マオウ(麻黄)の種類 
エフェドラ(Ephedra:麻黄)は中国原産といわれ、気管支喘息の特効薬として歴史があります。
漢方薬の「麻黄湯」、「麻杏甘石湯」の主成分ですが、薬局で売られる風邪薬や「葛根湯」などに
微量が配合されているケースがあります。


マオウ(麻黄):マオウ科(Ephedraceae)
中国:マファン(ma huang)
英名:エフェドラ(Ephedra)
学名:Ephedra sinica Stapf
マオウ(麻黄):(Ephedra sinica Stapf))

マオウにはEphedra sinica、Ephedra intermedia、Ephedra equisetina Bunge
の3種類ありますが、生薬の麻黄としては、Ephedra sinica系の
蒙古原産フタマタマオウ(マンシュウマオウ)(Ephedra distachya Linn)の栽培が盛ん。

フタマタマオウ(マンシュウマオウ):(Ephedra distachya Linn)


5.米国でFDAより警告されている合成エフェドリン製品 
カッコ内は製造元。
Adipokinetix(ephedrine HCl含有*)(Better-Bodies, USA) 
Phenylkinetics,Libido Magic for Men、Libido Magic for Women(norephedrine HCl含有)(21st Century Sports Nutrionals Inc, USA)
Overdrive(norephedrine HCl,ephedrine HCl含有)(Diabetes Tea, USA)
Adrenalin(norephedrine HCl含有)(Muscle Lane Inc, USA)
Hollywood Cuts(norephedrine HCl含有)(Scientifically Advanced Nutrition, USA)
Lipodryl II(norephedrine HCl含有)(ThermoLife International, USA)
 
以下は製造元不明
Yellow Jackets(ephedra含有)違法ストリートドラッグの代替品として利用されている。
kola nut抽出物(caffeineアルカロイド)などを含有する。 
Herbtech (ephedra含有) 
Trip2Night,(ephedrine HCl含有)精力ハーブ剤 
Benzo-Berries、(ephedrine HCl含有)リラクゼーションハーブ剤 
Liquid Bezz、(ephedrine HCl含有)液体ハーブ剤 
Salvia 5X、(ephedrine HCl含有)精神開放ハーブ剤 
AMP II Pro Drops、(ephedrine HCl含有)体重減少目的。
**HClは塩酸塩((hydrochloride)の略語で合成化合物を意味します

6.アルカロイド(Alkaloids)とは
アルカロイドはアルカリ様という意味で、動植物に含有されるアルカリ性(塩基性)成分の総称です。
特に植物には多く分布します。
植物毒のほとんどは、アルカロイド成分が占め、マオウ科、ナス科、ケシ科、メギ科、キンポウゲ科、
アカネ科、マメ科、ユリ科、ヒガンバナ科など多数の植物に含有されます。
植物毒のアルカロイドは神経ホルモン様の働きを示し、末端神経に入り込むと、
少量で神経を麻痺させる毒性を示します。
この作用が医療分野で応用されて、多数の医薬品が開発されています。
代表的な薬用植物アルカロイドにはマオウ科のエフェドリン(ephedrine)の他、
下記の種類があります。

7.ナス科(Solanaceae)のアルカロイド(Alkaloids)

ハシリドコロ(Scopolia japonica):ナス科(Solanaceae)

ハシリドコロ(Scopolia japonica)
ベラドンナ(Atropa belladonna)
チョウセンアサガオ(Datura stramonium)

代表的アルカロイド成分名:はスコポラミン(Scopolamine)、アトロピン(atropine)
スコポラミン、アトロピン合成物質には、副交感神経拮抗薬(商品名ブスコパン:buscopan)、
アトロピン系鎮痙剤(商品名パンテリン)、白内障治療薬(商品名ロートエキス。
瞳孔括約筋を弛緩させる作用)など多数の医薬品があります。
スコポラミン、アトロピンはアセチルコリンの可逆的拮抗物質です。
この作用はサリンの解毒薬に使用されるそうです。 

8.ケシ科(Papaveraceae)のアルカロイド:アヘン、モルヒネ

ケシ(芥子):Papaver somniferum:ケシ科(Papaveraceae)


ケシ(芥子)は地中海原産といわれます。東ヨーロッパ、アジアの高原地方で栽培される。
 代表的アルカロイド成分名:
モルヒネ(morphine)、コデイン(Codeine)、パパベリン(Papaverine)、ノスカピン(Noscapine)
実の乳液が麻酔、鎮痛剤、麻薬のアヘン(阿片:Opium Pulveratum)に使用されます。
ケシ科には200種類以上があり、園芸栽培される小型のヒナゲシ(雛芥子、Papaver rhoeas L.)、
別名グビジンソウ(虞美人草)はポピー(Poppy.)として親しまれていますが、
毒性のアルカロイドは、ほとんどありません。 

ヒナゲシ(雛芥子:Papaver rhoeas L.)

(参考)
フェンタニル(Fentanyl:商品名)。
2015年6月15日に北海道八雲町総合病院の医師と看護師が麻薬として
使用していた麻酔薬がフェンタニル。
オピオイド性鎮痛薬系と呼ばれるヘロイン系統の合成物ですが
モルヒネよりはるかに強力なために癌(がん)患者に投与されることが多い。
血漿中からは1時間くらいで消滅。
3-4時間の滞留で体外排泄されるためにチャイナホワイトと俗称される
ストリート麻薬として悪用されることが多い。

オキシコドン (oxycodone) (商品名:オキシコンチンなど)
2015年6月18日にトヨタ自動車常務に新任した広報担当の米国人女性が
麻薬取締法で逮捕されたのもオピオイド性鎮痛薬系の
オキシコドン入手によるもの。
アヘンのアルカロイド成分のテバイン*由来合成鎮痛剤で
やはり癌患者の鎮痛に使用されることが多い。
女性役員の事件は嫉妬による内部通告の様相もありますが
鎮痛剤に関する日米の文化の違いがあるようにも
思えます。
ただし、入手用法から推測して日本では違法なことを
存知していたと考えられているようです。
*テバイン (thebaine)はパラモルフィン :paramorphine)とも
呼称されます。

9.キンポウゲ科(Ranunculaceae)のアルカロイド(Alkaloids) 

オウレン(黄連)(Coptis japonica、Coptis chinensis):
キンポウゲ科(Ranunculaceae)

中国、日本に自生する。
代表的アルカロイド成分名:ベルベリン(Berberine)、パルマチン(palmatine)
生薬として根茎が苦味健胃整腸,消炎,精神不安に使用されます。 
オウレン(黄連)(Coptis japonica、Coptis chinensis)

10.アカネ科 (Rubiaceae) のアルカロイド(Alkaloids) 
アカキナノキ(学名:Cinchona succirubra, Pavon)(Cinchona pubescens Vahlという説もあります)
キナ属(Cinchona)
アカネ科 (Rubiaceae)
南米アンデス原産。現在はコロンビアなどで栽培されますが、インドネシアが世界市場を独占しています。
キナアルカロイドを含有するキナにはCichona ledgeriana、Cinchina calisaya、Cinchona pubescens Vahl 、Cinchona cordifolia、Cinchona lanceifolia、Cinchona ovalifolia、Cinchona icinalisなど、種類はいくつかあります。
代表的アルカロイド成分名:キニーネ(quinine)、キナ酸(quinic acid)。
キナアルカロイドは数十種類あります。キナの皮(Cinchonae Cortex)に含まれるキニーネは
マラリアの治療薬です。。(HP1190 マラリア特効薬のアーテスネート(artesunate)
アカネ科には多種類ありますが、コーヒーの木、精力剤のヨヒンベの木が著名です。
園芸種ではクチナシが代表的です

11.(第5項の補てん)米国の合成エフェドリン含有ブランド
体重減少の目的で使用される栄養補助食品。脂肪燃焼効果を謳う商品がほとんど。
またストリートドラッグの代替としてセックス目的、興奮剤として合成エフェドリンを使用するものも
数多くあります。

AMP II Pro Drops
21st Century Sports Nutrionals Inc.
Phenylkinetics,Libido Magic for MenおよびLibido Magic for Women(norephedrine HCl含有),
Better-Bodies:Adipokinetix
Diabetes Tea:Overdrive(norephedrine HCl,ephedrine HCl含有)
Muscle Lane Inc.:Adrenalin(norephedrine HCl含有),
Scientifically Advanced Nutrition:Hollywood Cuts(norephedrine HCl含有),
ThermoLife International:Lipodryl II(norephedrine HCl含有)に対する警告,

米国でも合成エフェドリン・アルカロイドは食品用成分ではなく,医薬品としての
承認が必要です。
警告対象となったのはノル・エフェドリン(norephedrine HCl)がほとんどです。
エフェドリンのほか違法ストリートドラッグの代替品としてYellow Jackets社は
エフェドラ(ephedra),コーラナッツ(*kola nut抽出物)、カフェイン(caffeine)などを
含有するハーブ製品でした。
Herbtech社の合成エフェドラ(ephedra)またはマオウ(ma huang)を含有する各種製品を
非合法的ストリートドラッグの代替品として販売していることに対して違法警告が
されました。
Herbtech社が警告された目的別ドラッグの商品名は下記です。
精力ハーブ剤:Trip2Night,
リラクゼーションハーブ剤:Benzo-Berries,
多目的液体ハーブ剤:Liquid Bezz,
精神開放ハーブ剤:Salvia 5X
*コーラ・ナッツ(kola nut)は学名Cola acuminataなど。アフリカに多い樹木の果実。
コカコーラの原点となったといわれる。カフェインなどのアルカロイドに富む。
エフェドリンと同様喘息などに使用されていました。


初版:2004年4月
改訂版:2014年5月
改訂版:2015年6月

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「ブドウ・レスベラトロールが関わる窒素合成と
サイクリックジーエムピー(GMP)の産生」
http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=66
エネルギー源となるエーティーピー(ATP:アデノシン三リン酸)とは
http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=147
「バルクワインの重金属汚染と無添加ワインのからくり」
http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=448

「ヒジキなどの食品ヒ素に肺がんリスク:国立がん研究センター」
ヒジキは必ずしも健康食品ではありません
http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=123


https://www.botanical.jp/item_view.php?item_number=36

https://www.botanical.jp/item_view.php?item_number=1011

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