![]() 1. トランス型脂肪酸(Trans fatty acid):シス型脂肪酸(Cis fatty acid) 2. 水素添加化合(hydrogenation)とは 3. トランス型脂肪酸を含有する食品 4. トランス型脂肪酸の有害性 5. トランス型脂肪酸の食品ラベル表示義務決定の背景 6. トランス型脂肪酸の食品ラベル表示決定までの歴史 7. 共役(きょうやく:きょうえき)リノール酸(Conjugated Linoleic Acid:CLA) 8. 共役リノール酸の種類と機能 9. オランダにおけるトランス型脂肪酸の研究 10. トランス型脂肪酸排除に向かう米国食品業界 11. ソース・フード・テクノロジー社(Source Food Technology)の新技術 12. カリフォルニア・ナチュラル・プロダクト社の新技術 13. トランス型脂肪酸を排除する、その他の技術 14. エステル交換(interesterification)技術(インターエステリフィケーション) 15. エステル交換(interesterification)食品の表示義務 16. ラベル表示解読の注意点 1.トランス型脂肪酸(Trans fatty acid)とシス型脂肪酸(Cis fatty acid): 水素添加化合(hydrogenation)とは トランス型脂肪酸は省略してトランス脂肪(trans fat)とも呼ばれています。 トランス型脂肪酸は飽和脂肪酸の構造になりますが、不飽和脂肪酸が変化した状態のみを指します。 脂肪酸は水素を結合した炭素が鎖状に結合していますが、魚油や植物の種などに 含有される不飽和脂肪酸(unsaturated fatty acids)のほとんどは、変化しやすい、 不安定な形のシス型脂肪酸として存在しています。 不飽和脂肪酸には炭素が2重結合した部分がありますが、その部分の炭素には、二つの水素原子が片側にリンクしています(図)。
![]() これらは炭素連鎖の中でお互い、反発しながらどこまでも絡まっていきます。 これがシス型脂肪酸と呼ばれるもの。 ネーミングの由来はラテン語の「同じ側」という言葉からです。 不安定なシス型脂肪酸は劣化、酸化しやすいのが欠点。 そのために製油や加工食品には安定した脂肪酸が必要となります。 シス型脂肪酸は加熱するか、意図的*に炭素の2重結合部分の水素を反転させると水素添加化合(hydrogenation)がおこります。 水素添加化合は炭素の二重結合部分に水素を化合させて、単結合にすることで、2重結合の二つの水素原子が反対側に移動するという化学的変化。 これがトランス型脂肪酸で、絡まりが解けて鎖は直線的になります。 直線的な脂肪酸分子の鎖は絡まったものよりコンパクトになり、全体的に安定化します。 トランス脂肪酸ネーミングの由来は水素添加化合が行われる時の、水素の移動(トランス)を指しています。 水素添加化合により不飽和脂肪酸のオレイン酸(Oleic acid)やリノール酸(linoleic acid)は二重結合を失い、 飽和脂肪酸のステアリン酸(stearic acid)となります。
*工業的水素添加化合(hydrogenation)は 圧縮水素を金属触媒により添加します。
2.トランス型脂肪酸を含有する食品
3.トランス型脂肪酸の有害性 米国食品医薬品安全局(FDA)*がトランス型脂肪酸の食品ラベル表示に踏み切ったのは、 トランス型脂肪酸が、悪玉コレステロールのLDLコレステロール値(low-density lipoproteins)を 上昇させる飽和脂肪酸というばかりで無く、より影響の大きいだろう、 善玉コレステロールのHDLコレステロール値(high-density lipoproteins)を低下させることを認めたから。 HDLコレステロールの総コレステロールにおける割合の低下は、LDLコレステロール値の多少より、 米国、国立心肺血液研究所(the National Heart Lung and Blood Institute)の調査では、 米国には1250万人の冠状動脈疾患患者がいると言われ、毎年50万人を超える死者が発生しています。 食品医薬品安全局(FDA)はトランス脂肪とコレステロールに関する情報を 米国では1990年11月8日に栄養表示規制法(the Nutrition Labeling and Education Act:NLEA) が成立し、 1993年からコレステロール、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸の量が食品ラベルに表示されるようになりました。 すでに有害性が問題になっていたトランス型脂肪酸の含有量表示は、この時には対象外となりました。 1994年ごろに、消費者擁護科学センター(the Center for Science in the Public Interest)の 強い陳情が始まりますが、有害性、有害量の決定的な証拠が提出できないために、 度重なる改訂時にも表示に踏み切ることが出来ませんでした。 現在の製パン、製菓、フライなど、マーガリンや油脂を使用する加工食品業界においては、 トランス型脂肪酸が常用されているために、確たる根拠なしに 早急に禁止するわけにはいかない事情がありました。 1999年になり、多くの研究報告が出揃ったため、FDAはラベル表示に トランス脂肪の含有量を記載すべき、とする方向になりましたが、 実際に決定されたのは2003年7月9日でした。 FDAは2006年1月1日まで表示義務を猶予していますが、この日より3年間で 少なくとも 600 -1200 件の冠状動脈疾患を防ぎ、250-500人の死者が救えると予想しています。 ラベル表示は一日摂取量0.5グラム以上のオメガ3魚油7サプリメントなどにも適用されます。 ![]() 6.共役(きょうやく)リノール酸(Conjugated Linoleic Acid:CLA) リノール油のオメガ6(omega-6 fatty acid)と呼ばれるリノール酸(linolenic acid)は 多価不飽和脂肪酸ですから、炭素鎖の6番目から始まる2重結合部分が2つあり
![]() スーパーには様々な低リノール酸含有油が並ぶ 9. トランス型脂肪酸排除に向かう米国食品業界 ![]() 10. ソース・フード・テクノロジー社(Source Food Technology)の新技術 トランス脂肪を避ける一つの策として、ノースカロライナのヴェンチャー企業である ソース・フード・テクノロジー社が、マサチューセッツのブランデイス大学(Brandeis Univ.)の開発技術を 採り入れて取得した特許技術があります。 植物油より安定的な牛脂(tallow)がベースの油に、リノール酸のコーン油(とうもろこし油)(corn oil)を混合し、 11.カリフォルニア・ナチュラル・プロダクト社の新技術 ![]() ショートニングはトランス脂肪酸高率含有の代表的食品 12.トランス型脂肪酸を排除する、その他の技術 ![]() 13. エステル交換(interesterification)技術(インターエステリフィケーション) 2000年代初期の欧米の食品加工業界ではエステル交換に関心を持っていました。 エステル交換は、油が酵素や酸により固形化し、構造変化することに関連する技術。 具体的に言えば、油の脂肪酸成分が他の有機物群と相互結合して エステル化する技術のことです。 マーガリン、ショートニングにおいては水素添加化合(hydrogenation)が油を安定させますが、 酵素によるエステル交換(interesterification)によっても 油に希望する機能と安定性を与えることが出来ます。 パルミチン酸(Palmitic Acid)のパームオイル(palm oil)とその固形断片のステアリン酸は エステル交換固形物を自然に得るための一つの選択となっています。 (その後の研究進展によりパームオイルの安全性と発がん物質除去コストが問題となり、 パームオイルは選択肢とはならないと論議が浮上) カナダのマーガリンに使用されている、エステル交換脂肪は、 ![]() 14.エステル交換(interesterification)食品の表示義務 摂取しているそうです。これは一日推奨摂取量の4-5倍にあたります。 トランス脂肪の摂食限度やトランス脂肪の一日摂取値(Daily Value:DV)は ![]() ![]() 総脂肪摂食量の推定法 高血圧の方、中性脂肪量の多い方、心臓血管に問題のある方々は、 トランス脂肪酸ばかりでなく脂質全体に関心を持たなければなりません。 既述のように米国では食品の総脂肪含有量がラベルに表示されており、 2006年1月1日からトランス脂肪酸の量もラベルで読み取ることが出来るようになります。 脂肪量の表示に関する規定の無い日本では米国の同等食品より類推するしかありませんが、 ラベル表示にもいろいろあり、脂肪量が全く無いような表示もあります。 意図的に解りにくくなっているものもありますから注意して解読する必要があります。 16.ラベル表示解読の注意点 ラベルには一回に摂食する推奨量(serving size)を基準に脂肪(fat)、たんぱく質(protein)、 炭水化物(carbohydrate)、ビタミン、ミネラル*などが表示されています。 パーケージ総量(servings per package:per container)は推奨量(serving size)が 何回分摂食できるかの総計が書いてあります。 通常は脂肪など個別の総量の計算はしてありません。 したがって一日推奨量(serving size)の範囲内での飽和脂肪酸(saturated fat)、 不飽和脂肪酸(unsaturated fat)、コレステロール、総脂肪含有量が500mg以内の場合には0と表示されます。 その食品だけを食べているわけではありませんから、1日の食事に関する総脂肪量を計算するときには、 この点に気をつけなければなりません。 3)のオートミールのラベルにはハートのマークがありますが、これは飽和脂肪酸と コレステロールの除去を推奨する全米心臓協会(American Heart Association:AHA)の認定マーク。 このマークが脂肪フリーなわけではないことを銘記すべきです。 推薦一日摂取量(daily value:D/V) これはアメリカ人を対象にした一日推奨摂取量(daily value:D/V)です。 親切な表示は一日2000カロリーの場合と、2300カロリーなど表示して計算がしてありますが、 一般的には2000カロリーが基準。 下のほうに小さく、パッケージ総量、100gなど定量当たり等の重さが書いてありますから、 日本人はその量で、自分の適正摂取量を判断すべきです。 特にトランス酸が表示されるようになった後は、トランス酸には一日推奨摂取量(daily value:D/V)が 決められてありませんから、摂取量はあくまで自己判断になります。 ![]() *米国では高血圧予防などのために、ミネラルでも塩分量だけは必ず表示されます。 Sodiumがナトリウムのことで、塩分。 *potassiumはカリウム。 *米国のシリアル食品にはビタミン、ミネラルなど、特に葉酸を強化した食品が多くあります。 *2)のケーキパウダーミックスラベルのnutrition factsがnutrition informationとなっているのは オーストラリア(2002年に表示法が施行)の文言。 factsが事実や真実を表す強い言葉ですので、情報(information)という程度に 抑えた表現となっています。 (サンプルは2005年取材時) 初版:2005年1月 (広告) ノギボタニカルのサプリメントはトランス脂肪酸フリーの天然由来素材. 食材として数百年以上歴史のある天然健康素材を選んでいます. 永いご使用に耐える安全性を重視しているからです。 細胞やホルモン造りに欠かせない脂肪酸のラインアップに特徴があります. 詳しくはホームページをご覧ください. http://www.botanical.jp/index.php マスメディアで話題の長寿と癌(がん)の最先端研究 http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=605 ナイアシン(NAD+ NMN)がサーチュインとコラボレーション:長寿と癌(がん)研究 http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=156 ノーベル医学生理学賞を受賞したテロメラーゼの発見:テロメアとテロメラーゼ ![]() https://www.botanical.jp/item_view.php?item_number=28 レスベはフランス産の天然赤ブドウを原料に日本で初めて作られた ブドウ・レスベラトロール・サプリメント. 最初のモデルの開発を始めてからすでに20年を超えました。 レスべのブドウ・レスベラトロールはイタドリ由来のものや、医薬品目的に 化学合成された合成レスベラトロールとは全く異なる物質。 天然レスベは過剰摂取が不要ですから長期間摂取の安全性や慢性炎症を抑制する効能は ブドウを食するのと同じです ニューモデルは天然の赤ブドウが持つトランス型ブドウポリフェノールのスチルベノイドと プテロスチルベン、ケルセチン、CoQ10、ナイアシンを配合し、 天然ブドウ同様の卓越した抗酸化能力を保持しています. 世界でホットな話題となっている、最も先端的な健康長寿のコンビネーションです. 「ブドウ・レスベラトロールは体細胞内でガン阻害物質に変化する」 http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=196 ![]() 朝のすこやかな目覚めは病気知らずの健康のもと。「目覚めすっきりアサイーナ」 発売15周年記念のレスベが値下げ. 親戚といえるアサイーもリニューアルし実質的な大幅値下げ. 2ヶ月分が会員価格で1899円(税込). 大型のカプセルを使用し1カプセルで500㎎のアサイーとなりました. 「ブドウ・レスベラトロールが関わる窒素合成と サイクリックジーエムピー(GMP)の産生」 http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=66 エネルギー源となるエーティーピー(ATP:アデノシン三リン酸)とは http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=147 「バルクワインの重金属汚染と無添加ワインのからくり」 http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=448 「ヒジキなどの食品ヒ素に肺がんリスク:国立がん研究センター」 ヒジキは必ずしも健康食品ではありません http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=123 ![]() https://www.botanical.jp/item_view.php?item_number=36 http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=206 天然オメガ3脂肪酸の抗炎症メカニズム:脂質メディエーターのレソルビン(Resolvin)とは ![]() https://www.botanical.jp/item_view.php?item_number=1011 歴史が浅いバイアグラは化学合成物質ですから長期間服用の安全性は不明ですが、 その機能は窒素合成阻害酵素の阻害機能。 シトルリンが窒素合成の素材として機能し、レスべが窒素合成酵素を作り出す 機能と切り口は異なりますが、中枢神経を興奮させる媚薬、催淫剤と 一線を引く点では同じです。 シトルリンはアルギニンの前駆体. NO(一酸化窒素)合成の原料となるアルギニンを体内生成します. アルギニンは直接摂取するより体内生成させた方が確実性が向上するとみられています。 ブドウ・レスベラトロールが関わる窒素合成とサイクリック・ジーエムピー(GMP)の産生 ![]() シトルリンとレスべの超お買い得セット. もちろん個別でもお買い求めいただけます. ![]() レスヴィーヌ・ルージュ:ギリシャ時代から愛用されてきたブドウ古樹の葉. 有機栽培された農薬フリーのブドウ葉 レスベの補完に最適.フランスでは漢方薬同様に薬局で売られています. 「煎じるブドウ・レスべラトロールで長寿と美容へ最短距離」 ![]() JAS認定有機食品.東京都特別推奨食品のケール100%. 安全な天然カルシウム豊富な特殊土壌で栽培. 各種天然ビタミン、ミネラル、アミノ酸が最も豊富な野菜のケール100%で作られた 天然マルチ栄養素・サプリメント.他野菜の混入なしに飲みやすい美味しさを持っています 賦形剤は一切使用していません。 http://www.botanical.jp/item_view.php?item_number=53 ![]() 「サメの肝油とスクアレン/スクワレン(Squalene)とは」 サメの肝油が含有する成分の強力な免疫力強化作用は、食品の中では最大とも言われており 1900年代より、その秘密を解明する研究が続けられた結果、免疫に不可欠な白血球の増加に働く アルコキシグリセロール(alkoxyglycerols)を発見しました。 30粒から40粒に増量となりました リッチスクワレンは汚染の進む太平洋産原料を避け、 希少なオセアニア近海産原料で安全性を確保しています. |
||
↑ページの先頭に戻る | ||
![]() 著作権は「ロハスケ」編集部に属します。 権利者の許可なく複製、転用、販売などの二次利用をすることを固く禁じます。 商業目的に記事を引用、転写する場合は、引用:一項30,000円、転写:50,000円となります。 Copyright NOGI-BOTANICAL All rights reserved. 本サイトが掲載する情報・画像等は、広告主の湘南情報サイト「ロハスケ」編集部より提供されています。著作権は「ロハスケ」編集部に属します。 権利者の許可なく複製、転用、販売などの二次利用をすることを固く禁じます。 |