湘南文化よもやま話:湘南を愛した人々
アートを楽しむロハスケたち:湘南学園に息づく湘南文化の遺伝子
2013/09/08
湘南の中心部に位置し、湘南文化を発信し続けている湘南学園。
今年(2013年)で80周年を迎えますが、記念祭の企画が楽しみ。
数年前(2010年)の学園祭はとてもユニークなものでした。
目玉の一つは湘南学園OBOG同期生が母校の学園祭で開いた趣味のアート展示会。
題して「50年後の宿題提出」
現役の催事出展と見事なコントラストを描いていた。
OBOGは卒業後半世紀を超える同年の面々。新旧のアートは世代の特徴が表れて、
現役は荒削りでダイナミックな動、OBは緻密で繊細な静。
一見は静と動。だがそこは自由を謳歌した時代のOB世代。単なる静ではない。
静かなアートからは、ゆったりしたロハスな鼓動が聞こえてくる。

(作品はガラス入りフレーム.乱反射がありますので斜角から撮影し歪みがあります)

(写真上)「悪魔の喉笛:Devil Throat」:(水彩)桑島宏忠
桑島さんは大磯出身。建築学科を卒業し、大手デパートの店舗設計、デザインに携わる。パースで鍛えた柔らかな
表現の水彩はプロ。見ごたえがある。半世紀前の湘南学園は毎年一人、ブラジルに移住する青年を募集。引退後、
移住した同級生を訪ねて渡航した桑島さん。最も感動したのがイグアスの滝(Iguazu falls:ブラジル・アマゾン)
の悪魔の喉笛。交通不便なところだけに感激度が高かったようです


(写真上)ドゥブロヴニク(Dubrovnik:クロアチア)から観た「海峡の要塞」:(油絵)友野三平
友野さんも大磯育ち。大手デパートの店舗設計部門が永い。引退後は世界各地で絵を描くのが楽しみ。
多様に変化する水の色に魅せられている。イメージする風景の色彩感覚は独特。目に見えない美しさが表現されている。
湘南育ちは土地柄か、モチーフに水が多い。


(写真上)「仲良し五熊」:(墨絵)横山隆二
横山さんは鎌倉生まれの鎌倉育ち。漫画家横山隆一氏の子息。親譲りの洒脱なタッチ。シンプルな線で動きを表現
する腕前は素人芸ではない。シリーズで描かれた可愛い五匹の子熊。各絵に描かれたリズミカルな詩(うた)には
暖かさが溢れている。


(写真上)「愛娘」:(水彩)フェルナンデ嶺子
嶺子さんは東京生まれ。中学と高校を湘南学園で過ごした。職場結婚でシカゴへ。
シカゴから送られた5-6点の絵画には不思議な雰囲気がある。
中でも引き込まれたのがこの女性。何かを語りかけてくる情深い眼差し(まなざし)。
嶺子さんの鋭い感性を感じます。


(写真上)ザトウクジラ:(木彫)本庄敬三郎
本庄さんは中学からの湘南育ち。ポンケイのあだ名で親しまれた人柄。
おっとりした持ち味を根(こん)の必要な彫刻に生かし、数多くの作品を作り続けている。
丁寧に形作られた円やか(まろやか)な曲線には命があります。やはり湘南育ちは海から
離れられない。モチーフは海の生き物が多い


(写真上)「アルファベット」:(クロススティッチ)亀川利雄
亀川さんは片瀬育ち。海好きが嵩じてK汽船の機関長に。航海中の余暇にクロススティッチを
始めた。器用さ、繊細な神経、根(こん)。三拍子が必要なアートをこなせる人は少ない。
コントラストを抑えた配色。一点の非も見つけることが出来ない完成度です。
最近は自身で原稿(下絵)を書いてのスティッチも始めている。

 
 

(写真上)故近藤紘一さん(愛妻と娘と):ドキュメンタリー作家(著作を展示)

近藤さんは東京生まれの逗子育ち。湘南学園には中学時代に転入。大学では仏文科専攻。その語学力を生かし大手新聞社のサイゴン支局長を務める。在社中のパリ留学等を経てバンコク支局長に赴任するが昭和61年に早世。


(写真上)近藤さんにはアジアをテーマに多くの著作があります。湘南人らしい、豊かで情深い感性。弱者への愛情で問題点に切り込んでいます。この書はインドシナ(ベトナム)の悲劇を描いたものです。大宅壮一ノンフィクション賞(サイゴンから来た妻と娘)、ボーン上田国際記者賞、中央公論新人賞など数多くの賞を授与されています。
 

(写真上)友野三平さん

(写真上)横山隆二さん

(写真上)本庄敬三郎さん

(写真上)亀川利雄さん

(写真上)桑島宏忠さん

現在の湘南学園は進学校。外見はアートとは縁遠い硬派イメージ。
ところが学園祭ともなると様変わり。そこには自由奔放な学園時代に
培(つちか)われた遺伝子が継がれている。
すでに現役は、出展したOBの孫世代。太平洋戦争後の1945年から数えれば
4代から5代目に入っている。
湘南地方も60年代中ごろから人口が急増。移入した居住者が全人口の半分以上を占めている。
40-50年代の伝統を受け継いでいる家系はマイナー。発信されていた湘南文化も消滅寸前。
というよりは絶滅と思われていた。
その遺伝子の一つが湘南学園で静かに、密かに、脈々と受け継がれているとは。
「蛙の子は蛙」を実感する学園祭と展示会でした。
(写真は展示の一部です。海外居住者、鬼籍に入られた方を除いて、取材できた作品を中心にご紹介しました。
同期生の展示会には、このほかにも吊るし雛、書、写真など多くの作品が参加しています)
2010年学園祭はカラーフルなアートの祭典

(写真上下)立体で表現された各クラブブースのポスター.
大らかでダイナミックな発想と表現からは愛されて成長している
様が見えてくる
在校生の作品はOBとは対照的な色彩が爆発している
(写真上)数多い「食べ処」のサイン.荒削りな表現力が新鮮
(写真下)催事のエントランス一例.各々のデザインからは豊かな
環境に育つ、満たされた心を感じることが出来る。

(写真上)動画研究会が指導するイラスト教室。湘南文化の
遺伝子を受け継ぐ次世代の出現が楽しみ

(写真上)アトリウムからの外光が通路床に投影するイラスト。湘南
らしい遊び心の豊かさを感じる。

湘南のイメージは不動産屋さんの大きな武器。エリアは拡がるばかりですが、
湘南学園は今も昔も湘南の中心部に立地します。
メディアにも湘南学園の歴史が紹介されることが多くなりました。
雑誌、ウェブ等では77年前の創立当時の生徒達の様子も紹介されており、
自由と個性の尊重という学園の教育方針が写真からもよく伝わってきます。
日本が統制下にあった時代、このような学校は稀有な存在であったに違いありません。
進学校に傾きつつあるとはいえ、児童・生徒たちの個性を大事にする教師達、
教育熱心な保護者達の姿勢は今もしっかりと根付いているようです。

2011年の学園祭に参加した湘南OBOGは古い写真展示などで回顧展の趣。
アートはあまりありませんでしたが、いくつかご紹介したい作品がありました。


(写真上下)土谷阿佐さん. 1938年生まれ.幼稚園から高校まで湘南学園の数少ない本格派湘南育ち.
培った湘南の豊かな感性を生かし、刺繍一筋の趣味が高じて横浜と鎌倉の専門店「ラディッシュ」で
作品を販売している.



(写真上)山本宏一さん.1936年生まれ.中学、高校を湘南学園で過ごした高校卒3期生.
東京芸大デザイン科卒.永年製菓会社企画部に在籍され、現在は絵画のプロフェッショナル
として活躍中.


(写真上)冬の蔵王.財部實禧さん撮影.1940生まれ.海運会社勤務を終えて風景写真にのめりこむ.
小学校時代から青春時代の全てを眼前に江の島を臨む片瀬洲鼻で過ごした本格派湘南ロハスケ.
繊細な感受性を持ち、OBの世話役として労を惜しまぬ、こまやかな気配りで人気者.
風景に引き込まれてしまう臨場感あふれる作品群が印象的.

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