世界の健康と食の安全ニュース
長寿社会の勝ち組になるには(その39):
全米を震撼させた麻薬系鎮痛剤による
オピオイド危機とその背景(前編)
2019/12/07
「浜の真砂は尽きるとも-------」覚せい剤、麻薬の常習者は尽きません。
複雑な現代社会、精神を病める若者が薬物に依存するトレンドは先進国ばかりでなく
発展途上国にも共通する社会問題。
薬物に汚染される動機や経緯は様々ですが、国際社会が危惧を抱くのは、
スポーツ選手のドーピングを含めて、いずれも究極は呼吸障害、脳神経障害、肝臓、
腎臓障害を発症し、廃人へまっしぐらとなるからでしょう。
最近話題となった女性芸能人Eさんのケースを含めて
静かに広まっている芸能人の汚染拡大はニュースとなりますが、
報道されない、悩める若者の汚染急増がより深刻です。
 


1. 日本ではネット、コンビニで麻薬系鎮痛剤の売り上げが急増
2. 社会的弱者がターゲットとなる麻薬系鎮痛剤
3. "オピオイド危機:The Opioid Crisis"の始まり
4. "オピオイド危機:The Opioid Crisis"の再燃
5. "オピオイド危機:The Opioid Crisis"発生の背景
6. オキシコンチン(OxyContin)とは
7. パーデュー・ファーマ社(Purdue Pharma)とは

 (続編のお知らせ)
 
1. 日本ではネット、コンビニで麻薬系鎮痛剤の売り上げが急増
この10月(2019年)に20年間にわたり全米を震撼させた麻薬系鎮痛剤による
”オピオイド危機”が最大の麻薬系鎮痛剤製造会社の倒産(後述)により終盤を迎えました。
日本では現在もブロンやパブロンなどの麻薬系鎮痛剤が市販されており、
一度に数百錠もの過剰摂取や乱用が社会問題となっています。
 
MDMAなどの覚せい剤より安価で誰でもが手に入る麻薬系鎮痛剤。
これまでも、現在も、米国や日本では麻薬系鎮痛、咳止め剤の用途は半数以上が
医療用ではありませんでした。
目的はレクレーショナル・ドラッグと呼ばれる「享楽用」
販売量、使用量がダントツだったのは米国でしたが、
2016年ごろより"オピオイド危機:The Opioid Crisis"(後述)の根絶を図った
米国大統領や行政により製造会社、販売会社が次々に葬られていきました。
現在は、統計が確かな国々の販売量比較では日本がトップではないかと疑われています。
 
昨今は日本人若者の覚せい剤使用が激減し、かわりに麻薬系鎮痛剤使用が
2018年推定で41%の激増。
ネットやコンビニで容易に医薬品が買えるように法改正されてからは、
アマゾンまでが自社ブランドの麻薬系鎮痛剤を売るような構造となりました。
日本の若者の2-30年後の健康と美容を考えると、愕然とする風潮です。
 
呼吸器、脳神経、肝腎への副作用が避けられない医薬品は非常用に限られるはずですが、
「製薬会社が作るxxですから安心です」「これは医薬品です」というコピーが
販売促進になる国民性。
医薬品の使用に抵抗感がないからでしょう。
 
2. 社会的弱者がターゲットとなる麻薬系鎮痛剤
どこの国でも、誘惑に負けるのは社会的な弱者。
弱者の若者を対象として利益追求を最優先する医薬品販売者は強者。
2大政党が機能している米国では利益追求のために国民の健康を害する企業は
破産するまで徹底的に糾弾されますが、日本ではアスベスト問題も
ノバルティスの降圧剤ディオバン不正治験データ疑惑も、これまでに健康障害を
まき散らした多数の大手企業が倒産、廃業した例はありません。
 
すでに医療の世界では麻薬系鎮痛剤の使用は「終末癌医療」など非常時のみとなりましたが
永らく米国で社会問題となっている麻薬系鎮痛剤による"オピオイド危機"は
いまや世界に波及。
日本も例外ではありません。
 
3. "オピオイド危機:The Opioid Crisis"の始まり
米国で麻薬系鎮痛剤の乱用により死者が目立つようになったのは2000年前後。
1996年にオピオイド系鎮痛薬オキシコンチン(OxyContin)が売りだされたからです。
製造会社のパーデュー・ファーマ社(Purdue Pharma)は薬物依存性が少ない(と自称する)
オキシコンチンを主力商品として、販売開始以来2016年までに約3兆円を売り上げ、
創業者のサックラー家(Sackler family)は一躍全米有数の資産家といわれるように
なりました。

パーデュー・ファーマ社はオキシコンチンの強い依存性を確認していた発売前の
社内データを隠し「作用時間が12時間という長時間型(12hour drug)の
放出製剤であり、短時間作用薬剤より致命性や乱用性、依存性が低い」と
公表していましたが、実際には大半の使用者の効果持続は4時間から7時間。
過剰摂取を続けなければ目的とする効果を得られませんでした。
 
オキシコンチンは診療による鎮痛剤ばかりでなく、大半が若者のドラッグ代替品として
鬱解消や陶酔に使用されていたため、宣伝コピーの効果を求め倍量以上を
連続服用する若者が過剰摂取により廃人同様となり、死亡する者が続出。
1972年にパーデュー・ファーマ社が、医薬品が長時間かけて、ゆるやかに
体内に放出されるコンチン法(Contin:controlled drug-release system)を
開発していたため、一時はそれが信用されていたためです。

1996年の販売開始以来20年間でオキシコンチンにより700万人以上が
健康障害をおこし、20万人以上が呼吸困難などで死亡したといわれます(後述)。
これが"オピオイド危機:The Opioid Crisis"と称される事件。

2007年にニューヨークタイムスが口火を切り、オキシコンチンと死者との
因果関係を調べ上げて糾弾。
被害者遺族らに集団訴訟されたパーデュー・ファーマ社や販売会社などは敗訴。
敗訴の直接的な原因は、作用時間の虚偽(misleading marketing of OxyContin)
パーデュー・ファーマ社は有罪となり、6億ドル(約600億円)の示談金を
米国政府に支払ったといわれます。
 
4. "オピオイド危機:The Opioid Crisis"の再燃
ニューヨークタイムスに糾弾された2007年の裁判前後はオキシコンチンの
売り上げが一時落ち込んだものの、2008年には持ち直し、その後、
2014年まで、パーデュー・ファーマ社の年商は平均20-30億ドル(約2000-3000億円)に復活。
 
ところが2017年にロアスアンジェルスタイムスが2016年に米国人の
約5万人がオキシコンチン(OxyContin)関連の中毒症状で死亡。
発売以来の累計では700万人以上がオキシコンチン関連障害を発症、20万人以上が
死亡していることを詳細に調査し、報道を始めてから問題が再燃。
パーデュー・ファーマ社は20数州で提訴された集団訴訟のいずれにも敗訴。

長兄を筆頭にパーデュー・ファーマ社創業者らはメトロポリタン美術館、グッゲンハイム美術館、
スミソニアン博物館、アメリカ歴史博物館や大学など内外の研究所に
多額の寄付を続けていましたが、「殺し屋製薬会社」と評されて、この頃より寄付を
拒絶されるようになっていました。
外堀を埋められ四面楚歌となったパーデュー・ファーマ社は
敗訴による数兆円ともなる賠償金の支払いが不可能となり、最終的に
2019年10月に倒産(日本の再生法)となりました。
 
5. "オピオイド危機:The Opioid Crisis"発生の背景
90年代は全米の人口の3分の1、推量して1億人前後の人が
慢性の痛み(chronic pain)に悩んでいたといわれます。
「痛み」は体温や血圧などと同様に生命存続を示す(vital sign) 一つの重要兆候。
急を要する対処に連邦政府や医薬品メーカーが麻薬系鎮痛剤(painkilling opioids)の処方幅を拡げ、
大衆的医薬品普及を促進するきっかけとなりました。
1991年に全米で年間7,600万件だった鎮痛剤処方総数は2011年には21,900万件となり、
2016年には28,900万件に膨れ上がりました。

米国の医療施設を対象とした第三者評価機関(Joint Commission)は後に
「ただしこの促進策は失敗の疑いが濃く"オピオイド危機"が発生する原因と
思われる」と論評。
理由は医師に麻薬系鎮痛剤使用を促し、医師が即効を期待する患者にそれを
過剰投与するようになったからです
麻薬系鎮痛剤は90年代で最も多く処方された医薬品の一つ。
手術後の痛みや様々な患者の痛みに投与されていましたが、
連邦の医務総監(米国公衆衛生総局長官:Surgeon General)は
「約6%は麻薬系鎮痛剤の継続が必要となっている」と習慣性を指摘しています。
 
6. オキシコンチン(OxyContin)とは
オキシコンチン(OxyContin:化学名オキシコドン:oxycodone)は*オピオイド系鎮痛剤
のひとつ。
アヘンのアルカロイド成分のテバイン*由来合成鎮痛剤で癌患者の鎮痛に使用されることが多い。
1996年のWHOスタイルのがん疼痛治療法分類においては、最強の麻薬鎮痛剤です。
オピオイドはケシから採取されるアルカロイドのテバインから合成される半合成麻薬。
鎮痛、陶酔作用があり、薬剤の高用量の摂取では昏睡、呼吸抑制を引き起こし
アメリカ疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)は、
オキシコンチンを長期間服用した人の約24%が薬物中毒になると警告しています。

「麻薬、覚醒剤となるエフェドラ(Ephedra)とエフェドリン(ephedrine):
麻薬と植物のアルカロイド」
http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=299

2015年6月18日にトヨタ自動車常務に新任した広報担当の米国人女性が
麻薬取締法で逮捕されたのもオピオイド系鎮痛薬(麻薬系鎮痛剤)の
オキシコドン入手によるもの。
女性役員の事件は嫉妬による内部通告の様相もありますが鎮痛剤に関する日米の文化の違いが
あるようにも思えます。
ただし、入手手法から推測して日本では違法なことを存知していたと考えられているようです。
*テバイン (thebaine)はパラモルフィン (paramorphine)とも
呼称されます。
 
7. パーデュー・ファーマ社(Purdue Pharma)とは
パーデュー・ファーマ社は世界最大手のヘルスケアグッズ・医薬品製造会社の
ジョンソン・アンド・ジョン社傘下の有力会社。
世界でのオキシコンチン販売はムンディファーマ社(Mundipharma)が担っています。
1991年にムンディファーマ社は日本法人を設立。
日本でのオキシコンチン錠の製造販売は塩野義製薬。
2017年12月8日オキシコンチン改良型として
持続性癌疼痛治療薬「オキシコンチン(R)TR錠」を発売。
日本には、すでに多くのオキシコンチン利用者があるといわれています。

(参照)
「MDMA(エクスタシー)の重篤な健康被害:米国を蝕む覚醒剤MDMAの恐怖」   http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=148
 
(続編のお知らせ)
厚生労働省は2019年8月、最新の実態調査の結果として、特に10代の若者が
せき止め薬やかぜ薬などの市販薬麻薬系鎮痛咳止め剤ブロン、パブロンなどを
乱用していると発表。
10代の薬物依存患者が使っていた主な薬物を見ると、2014年に48%と
最も多かった危険ドラッグが2018年にゼロとなり、代わりに市販薬が
41%と急増しており、過剰摂取者が14-5%はいるだろうとしています。
日本では広く処方されているアセトアミノフェンを含めた
日本の麻薬系市販薬の情報は続編でご報告します。

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https://www.botanical.jp/item_view.php?item_number=28
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http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=66
エネルギー源となるエーティーピー(ATP:アデノシン三リン酸)とは
http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=147
「バルクワインの重金属汚染と無添加ワインのからくり」
http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=448
「ヒジキなどの食品ヒ素に肺がんリスク:国立がん研究センター」
ヒジキは必ずしも健康食品ではありません
http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=123


https://www.botanical.jp/item_view.php?item_number=36

https://www.botanical.jp/item_view.php?item_number=1011

歴史が浅いバイアグラは化学合成物質ですから長期間服用の安全性は不明ですが、
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